カマキリ母さんのブログをアップしたのは11月1日の日曜日だった
ところが 屋根裏部屋の窓の横に居た彼女は動く気配がない
翌月曜日は雨が降り 水曜日からは気温が下がったのに産卵した様子も見られず 全く動いていない
「もしかして死んでしまったのか?」毎日庭から壁を見上た 朝も夕方も
ようやく動きがあったのが木曜日の午後だった 彼女は場所を少しだけ移動していた
「生きていたんだ!」安堵と共に喜びが込み上げる
その後の彼女はそのままの態勢で 又動きを止めた
金曜日の夜からは雨が降り始めた 寒いだろうにどうしているのだろう
雨が小休止した土曜日の朝 庭に出ていつものように見上げると驚いた事に 2階の窓のすぐ上まで降りて来て 彼女は既に産卵を終えていたのだ
「よかった!頑張ったね! お疲れ様」そう声をかけた
私が集積所にゴミを捨てて戻ると 彼女の姿が消えていた
窓のすぐ下、物干しの屋根に落ちたのかと探したが見つからなかった
窓の張り出しに居るのかもしれないが 下からでは確認できない
カマキリの生涯は過酷だ 孵化後すぐに始まる兄弟間での生きるための戦い
その後も自身が餌になる窮地をくぐり抜け 脱皮を数回繰り返し成長する
獲物を狩りその肉を食らい 子孫を残す為だけに生きてきた短い生涯
約200匹の幼虫から繁殖に至るまで大きくなる個体は わずか数匹という
このカマキリとは縁があるから どのような形であれ
いずれ再会できるような気がする
そうしたら遺骸を土に還してやりたい
厳しい生存競争に勝ち抜いた彼女に 敬意と哀悼の意を表して