硝子の瞳と猫と

心温まる事 癒してくれるもの 綴っていきたいな

文化財を大切に

17日の午後11時過ぎ 

愛媛県震度6弱地震があった

布団に入っていた私は 

大きな揺れに 飛び起き

「わーっ」と叫んでいた

 

震源地は 愛媛と高知の県境付近

距離があるので この周辺は震度4

タンスは勿論 花瓶も倒れなかった

それでも 地震の怖さを認識するには

充分だった

 

友人知人 職場にも 大きな被害は出なくて

胸を撫でおろした

ふと気になったのは 山城跡の祠

あの微妙なバランスで

かろうじて 建っている祠は

崩壊したかもしれない

 

土曜日の朝 チーと向かう

木立の向こうに

祠の無事な姿が見えた時は

心底 ホッとした

正面に座って 気が付いた

この祠を案じていた人が

他にもいたのだ

 

この祠を管理している 地域の方だろう

お盆と同様に 沢山のシキミとお線香が

お供えしてあった

新たに 小皿に生米が少しと

小さなお猪口二つに

金箔入りのお酒が 注がれていた

 

祠を守護して下さった方々に

感謝の祈りを 捧げたのだろうか

私も倣って 開封してあった酒瓶から

お酒を注いで 感謝の意を唱えた

 

傾いた屋根を

転倒防止用の突っ張り棒で 支えようかと

迷っていたのだが

祠はあるがまま そこにある方が

良いのかもしれない

 

山道のほとりを歩くと

先週見た蕾が 花に変わっている

暖かな日差しが 風が

緑の中に 華やかな色や

清楚な色を 差して行く

花の命は短く 儚い

『桐の花  /  山ツツジ

『白雪芥子』

 

高い木立に囲まれ ひっそりと佇む祠

樹木と共に 悠久の時を刻んでいるのだ

だから ここには

花は無い