硝子の瞳と猫と

心温まる事 癒してくれるもの 綴っていきたいな

アルバトロスの日

ゴルフの勝敗は1ラウンド18ホールで 総合打数の少ない者が勝つスポーツだ

ティーイングランドから打ち出し グリーン上のカップにボールを入れる

 

基準打数をパーと言い コースの長さで変わる

ショート(パー3) ミドル(パー4) ロング(パー5)

 

基準打数(パー)より少ない打数で カップにいれた場合の名称がある

・1打少なければバーディー(小鳥) 

・△2打はイーグル(鷲) 

・△3打はアルバトロス(アホウドリ) 

 

1打で入れる「ホールインワン」より「アルバトロス」の方が達成する確率は低い 

 

 

日曜日の夜から 私はお腹の調子が悪くなり

夜中に何度もトイレに駆け込んだ

翌日は 朝からひどい倦怠感に襲われた

 

洗濯は済ませたものの 食欲もなく動く気がしない

迷った末 勤務先に休む旨の連絡を入れた

 

そんな私を尻目に 楽しげにゴルフに出掛ける夫を

私はこたつに入って 寝そべったまま見送った

 

下痢止めを飲んだので トイレ通いは治まっていたが

夕方から微熱が出始めたようで 寒気がする

『何も食べていないからかも...』 薄暗い部屋の中で ぼんやり寝転んでいると

 

突然 リビングのドアが勢いよく開き

「今日良いことがあったんよー!!」 

上機嫌の夫が両手を掲げて 入ってきた

 

「奮発したよー」

右手にスシローのテイクアウト

左手にはシャトレーゼの白いケーキの箱が見えた

 

「.....」

私は朝の見送りと同じ体勢のまま

冷たい眼差しで 夫を見返した

「あれ? あんた まだ回復しとらんの?」

 

『仕事休む程の体調不良が すぐ治るか!』

『お腹壊したら ナマモノ 油もの控えるべきだろ 気が回らんのか!』

怒りのあまり 私はズルズルと こたつの中に全身を沈めた

 

カタカタと 天板に響く音が止むと

「食べようや~」 能天気な声が聞こえた

私はこたつの中から ドンドンと天板を二度突き上げて 抗議した

「元気じゃ~ん」

『ちっ 暖簾に腕押し 糠に釘 あほらしー』

 

タイミング良く 食欲が戻り始めた私は 

うなぎや卵焼き等の 加熱したネタを選び

ケーキもクリームの少ない 苺タルトをたいらげた

 

 

案の定 その夜 私は猛烈な腹下し攻撃に襲われ 

トイレに立てこもる羽目に陥った

 

コンペでアルバトロスを出した夫には

月曜日は最良の日だったが

下痢止めも無効にする腹下しに見舞われた私には 

最悪の日となった

 

※ウィルス性胃腸炎 ノロウィルスによる嘔吐下痢は この時期多いそうです

皆様も お気をつけ下さいね