何か珍しい事に遭遇すると 人は誰かに話したくなったり
「今日は良いこと有るかも」と思ったりする
夕食時 夫が「今日凄いことがあったんよ」
「あれはなかなか お目にかかれんよ」
「見たときビックリしたもん」
「凄い偶然と言うべきか...」 珍しく長々としゃべる
『前置き長いわ』と 内心呆れつつ
「早く言え」とせっついた
話はこうだ
片側一車線の道路を 走っていた夫は
前の車が左折のウィンカーを出したので 減速した
その車が曲がろうとしていたのは 車1台通るのがやっとの狭い道
運悪く そちらからも車が出てきたので 前の車は停車して道を譲った
譲られて出てきた車を見た夫は 驚いた
角で遭遇したどちらとも 同じ白のインプレッサで
ナンバープレートも 同じ二桁の数字「・・58」
「そして... 運転手の顔も瓜二つだった?」
「そこまで見えるかい」
「惜しいのぉ そこまで一緒だったら《車込みドッペルゲンガー》で
投稿出来たのに」 (そうでなくても投稿してるけど)
私の返しを 無視し
「数字が二桁の車も少ないのに あの時間あの場所で遭う偶然って
凄くない?! 凄いよなぁ」と 夫は感心しきり
「そういう時は 宝くじでも 買ったら良かったのに」と 流れを変えると
「それ 思い付かんかったわ...」 ようやく静かになって「凄い話」が終わった
そういえば 以前にもあったな
夫の会社に 運送会社のトラックが入って来て
何気にナンバープレートを見ると「・777」トリプルセブン
「おっ! ラッキー」通り過ぎる際
荷台の社名が 目に入った「池総運輸」(イケそう・運輸)
帰りに宝くじを買ったのは 言うまでもないが
結果はイケなかった...
多少 縁起に拘る私が 絶対の自信を持って宝くじを買ったのは
蛇の脱け殻を 手に入れた時だった
犬の散歩中に 半分位まで脱皮中の蛇に出くわした
しばらく待つも 相手も此方に気付いてフリーズ
仕方がないので 少し近付くと慌てて脱皮して 藪に逃げ込んだ
全く傷みが無く 目の皮まで有る 裏返しの完璧な脱け殻
「凄いものを手に入れた」
スムーズに脱皮する為だろう 皮は粘液状のものが付着してヌルヌルしている
皮が重ならないように 螺旋状に腕に巻き帰宅して
直ぐに 一直線に伸ばしてラップで巻いた
その後は 宝くじに巻き黄色い布に包み 西側に置いて祈った
当選番号発表の日 私は「蛇さん有り難う」と感謝した
たくさん夢を見させてくれたね
短い間だったけど 幸せだったよ
蛇の脱け殻で 宝くじが当たるのなら
ペットで蛇を飼う人は 皆大金持ちだろう
日々の出来事に「何か良いこと有りそうな」と思える事こそ
自らの手で掴める小さな幸せだ