硝子の瞳と猫と

心温まる事 癒してくれるもの 綴っていきたいな

名前が好かんわ!

私は子供の頃から自分の名前が嫌いだった

子供らしくなくて 暗いイメージの名前だと思った 

母親から 血縁の無い燐家のおばあさんが私の名付け親と聞いてから 尚更嫌いになった 

彼女が若い頃読んで感動した小説から「波乱万丈の人生で最後は幸せになった主人公の名前」だという 

最後って何よ? 「フランダースの犬」のネロ少年みたいに 最後の最期に安らぎを得るの? 

そりゃ 読み物としては面白いかもしれないけど 子供に波乱万丈の人生を望む親がいるか? 

頼まれもしないのに子供の名付けに口出すの 止めてくれ ホント迷惑! 

 

どうやら そのおばあさんは名付けマニアだったみたいで 

その方の告別式に参列して 故人の下の名前が全然違っていたから仰天した 

私は その時初めて知ったのだけど おばあさんは本名ではなく 自分が気に入った名前を普段使っていたのだ 

自分だけではなく 一時下宿させていた親戚の女子大生まで 自分の考えた別の名前で呼んでいた 本当に変わった人である

 

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名前に口出しするといえば 祖父母あるある 

 

義姉は三人目に男の子を授かった 

跡継ぎの誕生を喜んだ祖父が「跡継ぎには代々『喜』の字を付けている 春産まれだから『春喜』が良い」と言ったらしい 

しかし義姉にも 「もし男の子が産まれたら」と考えていた名前があったのだ 

彼女はどちらの名前にするか悩みに悩み 

出生届けの期限の日 市役所に着いても まだ決められないでいた 

ふと思いついて2枚のメモ紙に 各々の名前を書いて裏返した 

一緒に連れて来ていた長女に「好きな方を取って」 

お姉ちゃんが選び取った紙を表にすると 書かれていたのは祖父の考えた名前だった 

 

最近その話をしたら「そんな事あったっけ?」と憶えていないようだった 

名前は時間が経つと馴染んでいくんだね 

 

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子供の名前は 親の思いを込めたものが一番 

常識を越えてない名前なら 外野は口をつぐんでくれ 

 

それにしても 私はこの歳になっても 自分の名前が好かん!