硝子の瞳と猫と

心温まる事 癒してくれるもの 綴っていきたいな

詩を諳じる 春だ

自分が今いる情景にピッタリ合う「和歌」や「詩」を 自然に諳じるられたら どんなに良いだろう 

もし一緒に居た相手が諳じたら 瞠目する 

異性なら惚れるかもしれない 

春だからね 

 

私にも暗唱できる詩がある 

今日 目にした風景に思わず諳じた詩の一節 

 

山村暮鳥 
「風景」純銀もざいく 

 

いちめんのなのはな 
いちめんのなのはな 
いちめんのなのはな 
いちめんのなのはな 

 

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いちめんのなのはな 
いちめんのなのはな  
いちめんのなのはな 
かすかなるむぎぶえ 
いちめんのなのはな 

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 菜の花を観ると必ず頭に浮かぶ 

 明るい陽の光の中 多種多様の色と形で楽しませ 花は人を惹き付け魅了する 

 

それは闇夜の中にでも 

 

夜中の雨は止んだものの月は無い 夜明け前はまだ闇に包まれている 

真っ暗な道を 懐中電灯片手に愛犬と散歩していると 不意に芳香を感じて足を止めた 

化合物ではない自然の香りだ 

ほとんど風は無い 

当たりをつけて グランド横の広い駐車場を横切る 

真っ暗な空間にライトを向けると 芳香を放つものが現れた 

ほんの少しだけ花を付けた「紅梅」 

 

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カイガラムシに覆われ 木全体が白っぽくなり まさに瀕死状態 

無惨な姿を見せず 香りで私の足を止め 引き寄せた 

闇に隠れて人を魅了する 香りこそ 人の心を奪う「花が持つ最強の切り札」 

 

趣のある梅の「和歌」は多いけれど ここは山村暮鳥さんの詩が 情景に合う 

 

「梅」

 

おい、そつと 
そつと 
しづかに 
梅の匂ひだ