硝子の瞳と猫と

心温まる事 癒してくれるもの 綴っていきたいな

お天道様が空に居ないと 地上は暗い

月の光は淡く優しいけれど 朧気で心細い

灯りが失われると 魔物が現れそうで怖い

 

闇の中で 光と影を楽しむ遊びがある

中国で 紀元前200年頃の伝説に登場した「影戯」

日本では 江戸時代「指影絵」「手影絵」と 文献にある

狐 ╱鳩 ╱ヤカン

 

懐中電灯と手が有れば出来る

大きな手 小さな手 

人と想像力が集まれば 物語りも出来るだろう

 

『何の影でしょう?』

 

子供の頃 小学校の校庭で 学校の帰り道で

友達と 影踏みをしたっけ

オニに踏まれないように

しゃがんだり 塀の影に隠れたりした

道具はいらない

光が有れば 体一つで出来る遊び

今の子供達も 「影踏み」しているのかな

 

 

『落ち葉╱ チーちゃん╱ 野草』でした

 

 

 

 

 

2023年の締めくくり

2023年も 残り一日となった

年内最後は どんな記事にしようかと思いながら

投稿した記事を 振り返ってみた

 

今年からやり始めて 今も継続している事がある

一つは「アコースティック ギター」

此方は 新年の記事に回して

もう一つの「山城跡地の祠参り」で

2023年を締め括ろうと思います

 

6月上旬に 偶然見つけた 瓦製の祠

週末 雨天でなければ

愛犬チーと一緒に足を運んだ

 

正直「しんどい」と 思う日もあった

ただ 早朝の山道を登り始めると

五感のうちの 味覚を除いた残りの感覚と

心身が目覚め始め 次第に心地よくなる

 

sakutamatengo.hatenablog.com

 

木立に囲まれた祠 ティンシャを鳴らして手を合わせる

お線香の小さな赤い火が 静かに時間を刻む

 

砦のような山城でも 時は戦国時代

落城の際に 死者が出ただろう事は

想像に難くない

 

その跡地を撮影するのは 控えていたが

記録として 残しておくべきかと

スマホのレンズで 季節ごと切り取る

7月初旬 午前7時頃 祠の右側面

9月下旬 午前7時頃

 

行きの道中 風が無いと思っていても

高台の祠で ろうそくに火を灯すと

炎が揺れる

祠の背面には 隙間が有るので

いつも三本お供えする お線香の煙も

細くたなびくのだが

その日は 祠の前に白く立ち込めていた

とても綺麗だったので 

たくさん写真を撮った

 

10月下旬 午前7時頃

 

祠の周辺を 掃除する時も

チーを近くの木に 繋ぐ時も

祠に触れないように 気を遣う

 

屋根が崩れてしまいそうな この祠を

何とかして貰いたくて

市役所の文化財保護担当の方に メールで訴えてみた

昭和62年に 安置されたようなので

歴史的文化財ではないと 承知の上なのだが

「大きな瓦製で珍しいものである」

「修繕が難しいのなら

新しく同じ造りの祠を安置して欲しい」

そんな内容で 送った

 

数日後 担当者から返信があった

「祠の管理は 地元の方がされておりますので

その旨お伝えして置きます」

我が市は 財政難でしたね

 

NHK の歴史大河ドラマで 放送してくれたら

地元も さっさと動いてくれるだろうか

長宗我部元親」を メインでいかがでしょう

10月下旬 午前7時頃

 

さてこれは ちょっと不思議な写真

2枚のうち1枚が ぐるぐるボケみたいになっていた

柿をお供えしたので 喜んで下さったのかな

12月初旬 午前7時前

 

今日 山城跡地近くの広場で

小さな花を見つけた

調べてみたら「コヒガン」という 桜

開花時期は3月下旬とある

その頃 もう一度咲いてくれるかな

 

2023年最後のブログに ご訪問いただき

ありがとうございました!

 

皆様も良いお年を お迎え下さい

 

 

 

 

 

 

 

カメが手を擦り足をする

終業時間 5分前

仕事に目処をつけ

ちょっと気が緩み始めた その時

「★△♯∞⚂↺☆ー!」

背後から 甲高い叫び声

 

驚いて振り向くと

「来た来た」「居る居る」

「来た来た」「居る居る」

Sさんが 椅子から立ち上がり

オルゴールの 回転バレリーナ人形のように

くるくる 回っている

『おいおい 大丈夫かぁ?!』

 

隣の席の Tさんが

「終業ギリの奇声は やめて下さいよ~ 心臓痛ーい」

そう言いながら

S さんの頭の先から 足元まで見た上で

「大丈夫 カメムシは付いていませんよ」

 

そう言われて バレリーナの回転は止まったが

「(羽音が耳元で)ブ~ンっていった ブ~ンっていった」

「何処行った 何処行った」

あちこちに 視線を彷徨わせながら

パニッくっている

 

「テトはおらんって」

そう声かけした私を いきなり指差して

「そこにおる!」

目がマジで 怖いんですけど

 

sakutamatengo.hatenablog.com

 

指先の示す方向を 目で追うと

彼女のデスクに置かれた

箱のふちに1匹停まっていた

その後 蛍光灯に居た仲間2匹も 虫網で捕獲

ガムテープの刑に処して

ようやく職場に 平穏が訪れた

 

現在は二児の母の Sさんが

20代の頃は 髪を金髪に染めて

「怖いもの知らず」の イメージだった

しかし 彼女の虫全般が 苦手という 

ウィークポイントを 知ってからは

親しみが湧いて 付き合いやすくなった

 

終業のチャイムが鳴って

自分の用具を片付けようとしたら

いつの間にか そこにも居た

このカメムシは 手を擦り合わせる動作を見せる

まるで 命乞いをするように

 

「やれ打つな 蝿が手を擦り足をする」

小林一茶さん ごめん 私は打っちゃう

 

しかし 目の前でカメムシ

何度も 手を擦り擦りされると

さすがに 躊躇してしまった

 

結局 ガムテープにくっ付けたものの

折り畳まず そのままの状態で

屋外のゴミ箱に 捨てた

運が良ければ 助かるだろう

あのガムテープは 少し粘着力が弱いから

 

中途半端な仏心で 悪いけど

君の好運を祈るよ

 

 

 

 

 

 

 

スキスキスキスキー

朝 外で洗濯物を干していたら

突然 声がした

「スキ スキ スキ スキー」

 

Wow めっちゃ嬉しくなって 

「私もスキ スキ スキ スキ スキー」

と返すと もう一度

「スキ スキ スキ スキー」

庭のエゴノキから

高く澄んだ声が 応じる

 

すっかり葉を落として 枝だけなのに

声の主が 見つけられない

それでも 写真を撮れればと思い

スマホを取りに行っている間に

移動してしまい

今度はお隣のミズキの木から 聞こえた

 

散歩中に 野鳥の美声を聞いて 

その名前を 知りたいと思う事が

今まで 何度もあった

しかし 鳴き声が複雑で速く 聞き取れない

文字にしないと 検索が出来なくて諦めていた

 

『↑シジュウカラ

 

今回は 簡単に聞き取れたので調べると

声の主は「シジュウカラ」と 判明した

「ピーチ ピーチ ピーチ ピーチ」と 聞こえる声も

「スキ スキ スキ スキー」も

警戒している声のようだ

なぁ~んだ ちょっとがっかり

 

 

でも 「好き」と 言葉を交わせたら

こんなにも 気持ちが明るくなると

小さな野鳥が 教えてくれた

 

誰かに「好き」と言ったのは

いつの事かも 思い出せないけれど

そう伝えたい人が いるだけで

とても温かい気持ちになれる

 

 

 

 

 

 

 

過疎地にやって来た パン屋さん

土曜日に 歯医者に行った

その日が治療最終日で 歯のクリーニングを終えた後

口内を簡単に診た先生は

私の地元の話題を 振ってきた

「○○にパン屋さんが オープンしたようですね」

 

○○は 地域資源活用施設として

田舎料理のレストランが あったのだが 

利用者減少で 3年前に閉店していた

そのパン屋さんは 有名観光地からの

移転と聞いて 興味津々

お昼は過ぎていたが 早速帰りに寄ってみた

 

自宅を通り過ぎて10分

国道を右折して 駐車場に向かう

催事がある時 花見の時期以外は

閑散としていた駐車場は 満車に近い状態で驚いた

 

バイキングのレストランは

小洒落たカフェレストランになっていた

カフェの入口のテーブルに

籠に並べられて パンが売られているはずだが

全て売り切れていた

 

 

テイクアウトのコーヒーを 注文して

店主らしい女性に 「パンの売り切れ」を嘆くと

今朝 テレビの生放送で紹介されてから

地元の人を中心に たくさんの来客が有り 

短時間で売り切れてしまったそうだ

 

ここは 無添加100%の こだわりのパンだと知り

是非 食べたくて 翌日再び足を運んだ

今は紅葉 ╱ 春には桜が並木が美しい

開店10分前に到着したので 周囲を散策

昨日は ペットと一緒の方もいた

ガーデンテラスも 閑散としていた

昨日は暖かく 満員御礼だったガーデンテラス

 

今日は 欲しいパンを全て購入できた

焼きたてのパンは 柔らかく

噛み進めると 優しい甘味を楽しめる

 

 

わずかに苦味を感じる「薬草スギナパン」

クコの実 松の実 ナッツの入った「薬膳パン」が

特に美味しかった

 

土日のみの営業でスタートした カフェレストラン

この過疎地に 何とか根付いて欲しいと願う

 

 

 

 

 

 

『テトちゃうやろ!?』

ようやく冬らしい気温になり始めた 11月の下旬

室内が暖かくなり始める 職場のお昼前

「私ちゃん テトが肩に乗っとるよ」

後ろのデスクから 声を掛けられた

 

「!?(タイトル通り).....」

私は作業の手を止めて 

キャスター付きの椅子を 後のデスクに向けて

スーっと滑らせ 背中を向けたまま

「取って」と お願いした

「無理無理無理」

S2さんに即座に拒否された

 

仕方がないので 椅子からゆっくり立ち上がり 

更に後部デスクの S1さんのところまで移動して

「取って」と 又背中を向けたまま お願いした

 

彼女は 手慣れた様子で

布製のガムテープを 5cmくらい千切ると

軽く私の背中に 押し当てた

「取れたよ」

そう言いながら

ガムテープを折り畳んで

ゴミ箱に放り込んだ

 

「ありがとう」

お礼を言いながら S 2さんを振り返り

「全っっっ然 似てないけど 何でテトなのよ?」

「肩に停まってる姿が 茶色で足が長くて

テトみたいで 可愛かった」

彼女の想像力は 凄いな 

 

最近 仕事中 背後で「ギャッ」とか「ヒッ」とか 

同僚の悲鳴が聞こえると

近くに テトとは似ても似つかぬ

ヤツの姿がある

 

ヤツの名は「クサギカメムシ

刺激を与えると 強烈な悪臭のする

アルデヒド系の毒を 噴射する厄介者

今年は 大量発生しているようで

職場で 家で 退治に追われている

 

 

家の壁面や網戸で見付けたら 空き瓶に捕獲

洗濯物では 靴下や衣類の内側に入り込むので

取り込む時に ガムテープは必須

 

職場では ブーンという羽音や 

視界の端で動くもので 度々仕事が中断する

「臭ーい」「頭が痛い」 騒ぎながらも

ガムテープと殺虫剤で 補殺

べとつかず速効性のある 凍殺スプレーは好評だ

 

昼休みと退勤時には 駐車場で

イカーをチェックする

車のドアや窓の隙間から 入り込んだ奴等をやっつける

害虫の類いは 容赦なく始末しても

少しも痛痒を感じない

昼は8匹 夕方は6匹 マイカー捕獲

 

気温の低下と共に 捕獲数も落ち始め

カメムシ・ジェノサイドも

ようやく 終了となりつつある

 

職場には あの独特の臭いが

あちらこちらに 漂っている

消えた命の残り香のように

 

 

 

 

 

 

 

お供えリクエスト

自宅の 程近い山の頂上付近に

安土桃山時代に落城した 山城跡地がある

今年の6月に 木々に囲まれた跡地の中に

祠が有ることを知ってから 

愛犬チーの散歩がてら 週末にお参りを始めた

 

行く道すがら シキミと四季折々の花を調達し

秋には拾った栗を

時には 家にある果物を持参した

祠の左側 朝日が差し始める 11/5

 

先日 周囲では見当たらない 柿の木の葉が

祠の前に落ちていたのが 不思議で

ずっと気になっていた

 

「誰かが 柿の葉寿司を食べたのでは」と いう

クスッと笑えるブコメを もらったのだが

突然 ある考え(妄想)が 浮かんだ

 

これは「柿を 又食べたい」と いう

仏様からの『お供えリクエスト』だったのではないのか

大きな葉と小さな葉は

大きな祠と小さな祠からのメッセージ

どちらの仏様も 柿をご所望なのだろう

11/12綺麗な柿の葉 11/25の枯れた葉 

この伝達方法は 奥ゆかし過ぎて

私には なかなか伝わらなかった

 

富有柿を お供えしたのは11月5日だった

柿の葉を見付けた翌週12日には キウィを

翌々週19日は リクエストに答える事なく

みかんをお供えした

崩壊寸前の祠  11/12

 

「血の巡りが悪いやつめ」と 呆れたのか

「早く気付けよ~」と 多少の怒りか

みかんを回収した帰り道

私はいつも用心して ゆっくり下りる

竪堀(タテボリ)のような斜面で

初めて 滑り転けた 

それも 二度!

大きな祠と小さな祠の W攻撃かよ

 

その時も「足腰弱いわ~」と 自分に呆れながらも

「さすが山城 守りは完璧」と

軽口を叩く余裕があったのは

腰や後頭部に ダメージが無かったからだろう

残念ながら この祠W攻撃は無効に終わり

メッセージに気付くまで もう2日を要した

 

そして今朝 ようやくリクエストに応えて

「お待たせしました」と

祠に 柿をお供えした

 

線香が消えてから 柿を下げて

帰り支度をしていると

近くで カサカサと落葉を踏んで

移動する音がする

音のする方に 目を向けると

木を飛び移り

素早く登り下りする リスが見えた

 

山城跡地で 昆虫以外の生き物を見たのは 初めてだ

やはり ここは亡者の住まう地ではないのだな

仏様の要望に沿えて 心も軽く

チーと私は 祠を後にしたのだった