硝子の瞳と猫と

心温まる事 癒してくれるもの 綴っていきたいな

人形の顔

リアルなお人形を 気味が悪いと感じる人は多い

「ヒトガタには 魂が宿り易い」

「長年大切にしていたものには 持ち主の念が籠る」

日本人独特の考え方のようだが

所有者が慈しめば 

何も恐れることなどない

 

私の手元にある 古いお人形達の多くは

オークションサイトから 迎えた

視線がピタリとあった時の表情に

惹かれた娘ばかりで

まさに「人形は顔が命」なのだ

 

 

髪が伸びたり 動いたりはしないが

屋外に連れ出せば 晴れやかなお顔になり

カメラを向けると 微笑んでくれる

それは生命を持たない 人形としての表情であり

私の気持ちを 反映しただけかもしれない

 

 

先日 ヤフオク!で見掛けた娘は

市松人形らしからぬ

現代的なお顔立ちで

正面の画像を 見つめていると

人と視線を交わしている感覚に 陥る程の

艶かしい表情だった

 

『凄いな この子』

作者は不明ながら

逸品だと 感心したものの

「生気を感じさせる人形の顔」を

私は初めて『怖いな』と思った

 

入札は 三つ巴戦から一騎打ちになり

予想以上の 高額で落札された

❲落札額は 2,001,000円だった❳

 

それほどに 人を惹き付けた人形の顔からは

「意思」というより「意志」を感じた

 

それは 『人を惑わせる魅力』というよりは 

『人を操れる魔力』という気がする

 

ゆえに 畏ろしく愛おしいかな お人形さん