『弾けば弾くほど 音が良くなる』
アコースティック・ギター奏者から
耳にする言葉だ
「科学的根拠が無い」
「楽器店の販売戦略」と
否定する人も居る
確かに検証は 難しいけれど
弦を弾くことにより
『木材に残っている水分が 飛ばされる』
『共振により 木の繊維が変化する』
『組合わさっているパーツが 馴染んでくる』
そのような変化を
「よく鳴る」「良くなる」と
感じるのだろう
私も その一人だ
去年の夏に 長い間仕舞っていた
ギターを弾き始めた
エアコンの無い部屋で
毎日 毎日 汗だくで弾いた
もともと よく鳴るギターだったし
特に 中低音が響く
もっと高音が 鳴って欲しいと思い
弦で試してみた
張り替える度
ギター弦の メーカーを変えてみる
[ギブソン] [マーティン]
[ダダリオ] [エリクサー]
弦の製造原料に「リン」が入った
「フォスファーブロンズ」の
煌びやかな音色には 驚いた
華やかな音色は
『意外と飽きが来るのが 早いかも』と
思っていたけど
今も変わらず「フォスファー」を 選んでいる
やがて 寒さに凍えながら弾く頃になると
『音色に深みがでた』
そう感じ始める
特に 4弦と3弦の中音が素晴らしく
思わず 演奏を止めて
その響きに 耳を傾ける
「良い音だねぇ 惚れ惚れするよ」
「君は本当に 素晴らしいギターだ!」
これは 奏者の腕ではなく
紛れもなくギターの力
この夏 そんな相棒と
私は新しい試みを 始めた
ボーカル不要の インストゥルメンタル
ソロ・ギターにチャレンジ
初心者用の本を 購入して
意気込んで 始めたものの
スタート直後に スッ転び
しばらくの間 立ち上がれなかった
その後も 思うように走れず 呆然の私
右手と左手の動きが 合わない
指が動かない 押さえられない
...相棒が鳴らない
「嗚呼 ギターは かくも奥深い楽器だったのか」
茨の道に立ちすくんだ
話の続きは 秋にでも