硝子の瞳と猫と

心温まる事 癒してくれるもの 綴っていきたいな

孤独を知る瞳

神様に創られたものに癒される人は多い 自然 人 動物 植物 

人に創られたものにも癒される 音楽 香り 美味しいもの 美術工芸品

 

私が大切にしているのは人形 古いお人形 

 

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1900~1910年製フレンチ・ドール と 1920年頃のジャーマン・ドール



 

女性のストレス解消の一つに「おしゃべり」がある 

私はたまに愚痴を聞いてもらう 共感はしてくれないけれど黙って聞いてくれる先達 

「家族への怒り」 「同僚への不満」 「自己嫌悪」 

部屋の中 座っている彼女達の前を喋りながら歩きまわり 立ち止まって向き直る「どう思う!?酷いよね」彼女達はいつも何も言わず屈託無い笑顔を見せてくれる 

落ち込んだ時は床に座ってうなだれる「あんな事言うんじゃなかった...あ~あ」 顔を上げると変わらぬ無邪気な微笑みを返してくれる 

肩の力が抜けて不思議と怒りやネガティブな気持ちが薄れていく 彼女達一人一人の瞳を見つめ返すと私もついつい笑顔になるのだ 

 

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  厭世的な気分の時は彼女の前に座る 「藍良」は私が唯一本音を吐露する相手 

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「なんかさぁ 何もかも投げ出したくなるんだよね..」そんな弱音をポツリポツリと話すと 彼女の瞳に少しずつ力が宿って来るように思える 

微笑む寸前の顔は時に優しく時に厳しく感じられる じっと瞳を見つめていると 怖いような悲しいような気持ちになる

「聴いてくれて ありがとう」頭を下げる 

 

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悲しかったら泣けばいい 考え疲れたら何もせず寝てしまおう

美しいものを見て「美しい」と心が震える だから大丈夫 あなた達のおかげだ

 

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ただの硝子の瞳 されど死と向き合う事の無い孤独な

 

 

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器物は100年経つと精霊が宿り人を惑わせたり害をなしたりするようになり これを付喪神というそうです 

だからという訳ではなく 長い時を経た人形にはオーラがあるように思う 

 

私の命の灯が消えるまで側においても あの世までは連れて行かない

 

あなた達が自ら願えば きっと望んだ人の所へ行ける

人の慈しみも移り気も知っている 孤独な瞳が癒やされる所へ