硝子の瞳と猫と

心温まる事 癒してくれるもの 綴っていきたいな

初めての事情聴取

休日の朝 愛犬チーと散歩に行った 

山道コースを歩いていると 道路の中央に何か落ちている 

近付いて見ると「カード」のようで 拾い上げて見ると「健康保険証」だった 

「何で道路のど真ん中に こんな物が落ちてるんだ?」 私はハッした 

これ刑事ドラマであるやつじゃないの? 

有り得ないものがある時 散歩中の愛犬が急に吠えながら走り出す 

導かれた飼い主が「キャー」 悲鳴を上げて腰を抜かす 

こうして遺体の第一発見者となって 殺人事件が動き出す なんちゃって 

 

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愛犬チーの様子を見るも 変わった様子は見られない 

恐る恐る右側のガードレールから 身を乗り出すように谷を見下ろしてみたが 

人らしいものは見当たらなかった 

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その後 町内唯一の派出所に出向いたが 入り口は施錠されて

呼び鈴を押しても反応無し

不在の旨が書かれた札が 机の上に置かれているのが見えた 

出直すのは面倒なので 今度は落とし主が住む地域の派出所に行くことにした 

 

保険証の持ち主は 隣接する町の後期高齢者にあたるので 

取りに行くにも近い方が良いと考えたのだが こちらの派出所も「不在」だった 

30分も車を走らせて 又もや空振り  

結局 引き返して自分の住む市の警察署に持ち込んだ 

 

カウンター横のテーブルに向かい合って 男性警察官に話を聞いて貰った 

私の氏名や住所は本人に書かせないで 聞き取りながら警察官が届け出に記入していく 

「これは...」少しドキドキ お茶やカツ丼は出ないが まさに「初めての事情聴取」だ  

私が 落ちていた状況を説明すると「どの辺り?」 大きな地図を出された

山道のカーブを辿って「この辺りかな」指で示すと 

「国道から何メートル?」 予想外の質問に慌てた

「さん..300」「300メートルね」

「いや 4」「400メートル?」

「えっと..350メートル位だと思います」「350メートル 確か?!」 

相手を威嚇して吐かせる手法か? 何だか語気強め 

「はい」と返事をしつつ 『地図の縮尺使って自分で調べろや』と

腹の中であっかんべーをした 

 

その後 「保険証の持ち主の情報」

一緒にカードケースに入っていた 「診察券3枚の病院名」を 各々記入していく 

その間 手持ちぶさただったので

「派出所二ヵ所ともが不在だったから ここまで来ました」と言うと

「あ~日曜日はお休みだからね」と 少々気まずそうに言われて気が付いた 

そりゃそうだわ 地域を守るお巡りさんでも 

一人勤務の派出所で 24時間365日働けるわけないわね 

 

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何故あんな所に 保険証だけが落ちていたのか知りたかったけれど 

落とし主からの連絡は不要としたので  残念ながら知る術は無い

失せ物が見つかり 喜ぶお爺さんの顔を思い浮かべて 良しとしよう