硝子の瞳と猫と

心温まる事 癒してくれるもの 綴っていきたいな

頑迷族の長(オサ) GIBO

高齢者が 固定電話を使った詐欺被害に遭わないように 頑迷族の長 GIBO (義母)の話をしよう

GIBOは「頑迷一族の証」である 二つ折り携帯を持っている 

常に首からぶら下げ 入浴と就寝以外 手放したりはしない

「ストラップが切れて携帯紛失」を 世界の終わり同様に 怖れている為

ステンレスワイヤーロープを ストラップにしていた 

肌身離さずが災いして とうとうネジ切れそうになったので 私が新しく付け替えた 

もちろん首ではなく ストラップの方だ 

このお守り代わりの携帯の方は 知人しか送信してこない 

 

同胞を悩ませる詐欺問題が起きるのは 固定電話の方だろう 

ある日 詐欺の電話が掛かって来たとしよう 

受話器の向こうで 相手が何かを話始めたら 

まず「はぁ~?」...「え~?」...「あ~?」 

GIBOは この三つの単語で 確実に相手のやる気を削ぐのだ 

GIBOは耳が遠いと言えなくもない

 

例え 相手の声が大きくなって 内容が聞き取れても心配はいらない 

「GIBOの知り合いワード」にヒットしない限り 相手の話は 脳内を素通りして行くだけ 

結果「何言よるんか サッパリわからん」 

話の途中であろうと 受話器を置いてフィニッシュ 完璧な撃退法だ 

 

テクニックを伝授するに当たっては If 「もしも~だったら」も必要だろう 

もしも「GIBOの知り合いワード」に何かしらの単語がヒットして そのまま通話が続いたとしよう 

GIBOは 複数のセンテンスとコマンドは 記憶しない 

要するに 丁寧に説明すればするほど  ストレージ・オーバー 容量不足になる

 

そしてGIBOには 相手が喋り終えた後に発せられる

「恐ろしいキーワード」を持っている 

「なるほど」及び「そういう事か」 GIBOが そう返答した瞬間 

それまで 相手が話したすべての説明が GIBOの脳内から消去され 

同時にオートリバース効果が発動する 

この「『何の話だった?』からの再スタート」が与える

相手の徒労感・虚無感はハンパ無い 

双六の「振り出しに戻る」が エンドレス状態になるからだ

 

私はこれで 何度か精神を殺られた

二人きりで 同じ話を繰返し話す 聞かされる  その「疲労限度」「耐久限度」はどうなるだろう…多分 酷い頭痛曲線が上昇して行くと思われる

 

今日も元気だ ご飯がうまい!  欠かさぬ日課が「墓参り」

こうして 頑迷族の長 GIBOは 今日も詐欺師の悪事を挫くのだった

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当たり前の幸せ

1999年 ノストラダムスの大予言が話題になっていた年 私は気になる症状が出て(下痢、血便)近くの病院を受診した 

投薬でも改善せず その後 内視鏡検査を受けた 

友人から聞かされた話より ずいぶんと短時間で終了し ホッとして診察室に入ると 

医師から大きな総合病院の名前を告げられ そちらで受診するようにと 外科医の名前が書かれた茶封筒を渡された 

仕事が...と言い淀んだ時 「早い方がいい」医師は念押しするように勧めた 

 

街中の大きな病院だからと 早めに出掛けたものの 紹介状があっても予約のない初診なので 長時間待たされた 

検査も加わって 名前を呼ばれた時は昼はとうに過ぎていた 

 

診察室の椅子に座ると 主治医は開口一番「すぐ入院して」

私は何も準備していないと言うと では明日からと 看護師さんに指示を出した 

説明を受ける為立ち上がったが 私は肝心な事を忘れている事に気付き 再度座り直した 

「先生 家族に説明したいので病名を教えて下さい」

「え? 前の病院で聞いてないの?」 主治医は少し驚いた後 「あなたの病名はガンです」と言った 

まさかと思い「良性と悪性がありますけど....私のは」 先生は間髪いれずに答えた「悪性のガンでS状結腸癌です」

「...あの 私 全っ然痩せてませんけど?」 医師は呆れ顔で「最近は栄養価の高い食生活をする人が多いんだから 簡単には痩せませんよ」

 

別室で看護師さんから 書類をたくさん渡され 説明を受けながら 私は仕事と当時幼稚園児だった子供をどうするか 思案していた 

それから ひと気の無い広いロビーで 釈然としないまま会計を待った 

 

私の頭に ある再現ドラマのひとこまが浮かぶ 「炎のストッパー」といわれていたプロ野球の大投手津田恒美さん 体調に不安を感じ先輩に口にした言葉

「食べても食べても痩せるんです」 彼は32歳の時 脳腫瘍で亡くなった

私はその時まで 大病で身近な人を失った記憶がない「...痩せない事もあるんだ」

結局 自分の健康を過信し「たいした事ではない」と高を括っていたのだ 

 

 病院の駐車場の屋上に ポツンと一台残された自分の車に乗り込むと 私の頭に別の物語が浮かぶ 

 

妻が看護師と出て行くと 診察室に残された夫が 緊張の面持ちで主治医に尋ねる「先生 妻は...」

デスクの前のレントゲン写真を じっと見ていた医師が夫に向き直り 重い口を開いた 「ご主人 落ち着いて聞いて下さい 奥さんの病名は....ガンです」 

そして悲しげなBGM  

 

それにしても と思う 

「『病名はガンです』って 普通本人に言うか?....言うんだ....医学の進歩で不治の病じゃ無くなったって事かな」

起きている現実を認めて 私はようやく車を始動させた 

 

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その夜 夫の実家を訪ねて 入院中の子供の世話を義父母に頼んだ 

暗く重苦しい空気の中で義母は「子供が可哀想だ」と泣いた 

タイミングが悪い事にほんの10日前に 私達のマイホームを建てる契約を建設会社と交わしたばかりだった 

私の入院中に「この契約はキャンセルしようか」と涙ながらに話す夫を 

義父母は「お前がそんな弱気でどうするんだ」と励ました 

ずいぶん後になって そんな話を義姉から聞かされた 

病気の本人よりも 支える周囲の方が辛いということを 身に沁みて思い知らされた 

 

そんな周囲の心配をよそに 当の本人は「自分はここで終わらない」と強気だった 

根拠は両の掌にくっきりと刻まれた 「太く長い『生命線』」 ただ それだけ 

定年後も元気に働いていた『父親譲りの手相』だった

 

 日常の扉を開けて訪れ また日常の扉の向こうへ戻っていく外出着を着た見舞い客を 何度エレベーターホールで見送っただろう 

 

パジャマ姿で 点滴袋のぶら下がったカートをガラガラ引っ張って 

私は5階ホールの大きな窓から よく外を眺めた 

季節はいつもそっと近づいて 人を悦ばせる 

白く煙るように川岸に広がる 満開の桜並木が遠くに見えた 

毎年必ず守られる 季節の約束事 

 

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当たり前の事が当たり前にあることが 幸せなのだと気付く 

私は明るいガラス窓の向こうに広がる世界に 早く戻りたいと願った 

 

桜の咲く頃の遠い記憶

 

頑迷一族の教え

「大切なお知らせでーす」

A4サイズのゆうメールをヒラヒラさせて 夫が得意気な顔でリビングに入ってきた NTT から送られて来た「修理受付終了した二つ折り携帯の対策」

要は「早くスマホに変えましょうの催促」ですね 

 

「今のガラケーで不便はないし 気に入っとるんじゃけーええやん」

「ばーか そっちの方が高くつくんだよ」

「うっそー」 夕飯前に勃発する ガラケーvsスマホバトル 

なにも「最後のガラケー利用者に 私は成る!」という 壮大な野望を胸に秘めている訳ではない ゆうメールには載って無いが 所有の機種は23年3月迄は修理できる それでもバッテリー終了が スマホに変え時と思ってはいるのだ 

口には出さないけどね

 

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『何でおじいちゃんを使うんだ?』 

 

先日 高知に「金魚アクアリウム」を夫と見に行った 写真撮影OKだったが 会場内が暗かったせいか 綺麗な写真が撮れなかった 

スマホの方がハッキリ撮れてるやん こっちは1400万画素 タブレットは500万画素」 「ブログに載せるんなら 画素数の多いこっちだろ あんたもスマホにしたら?画素数違うよー」

「画素画素うるさいんよ! お前はガソ教の教祖か!」 頭にくる 

更に勝ち誇ったように 「1ギガ迄無料の楽天に変えるけん」と宣言 

「1ギガまでやったら ずーっと無料」 得意満面

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『屏風状の水槽の中に金魚がいて 色も変化する/ タブレットで撮影』

 

早速ネットで小さなサイズのスマホを注文し 日曜日に着くと前日からはしゃいでいたが 届いたのは薄っぺらい封筒 中身はSIMカードのみ 

ネットでは 販売終了した機種が普通に掲載されていたらしい 

風雲急を告げ 夫の頭上に低気圧の前線が接近し 「今、話しかけんな!注意報」が発令された模様 

何かを変えたり 新しい事を始める時 トラブルはつきもだね 

「にゃん」とも言わず 静かに過ごす私とにゃんこを尻目に 夫は外出した 

楽天機種を扱う電器店に行ったが 店頭には商品が全然無かったらしい 

その日は 終日頭上に前線が停滞した為 「絶対 何も話しかけんじゃない!警報」に変わり どんよりした一日だった 

 

それにしても 後日届いたゆうメールも含め気に入らないね

「変化を好まない頑迷なお年寄りの皆様へ お得情報ですよー」 ご親切にどうも 

 

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『今度はおばあちゃんを使うかなぁ?』


大きなお世話な情報に拒絶反応 私と義母の『頑迷一族』には有難い教えがある

「うまい話にゃ裏がある」

「タダ程怖いものはない」

こんなゆうメール送ったり お偉い方々を接待する余裕があるなら もっと料金下げられるんじゃないの? NTT さん!

 

 一昨日の事

あるサイトを呼び出したら  記事から急に真っ白な画面に「roading」の文字 直ぐに画面が切り替わり 紙吹雪が舞い散り「おめでとうございます」と出た

「親愛なChromeユーザー様 」←(日本語がおかしい) 

どうやら私はラッキーユーザーで 簡単なアンケートに答えたら「apple  iphone 12pro」が当たるチャンスを貰えたらしい

使用頻度等のアンケートの後 機種の画像から色を選ぶ「10万円越えの商品」が送料無料の100円で手に入るとある

100円の支払いはカード払い その情報入力欄が下方にあった

👍いいね と投稿者の画像入りのお礼のコメントなんぞがゾロゾロ出ていた

 

甘い! アイスに蜂蜜とメープルシロップをかけたくらい甘い話だ

「石橋を叩きまくって破壊する」我ら『頑迷一族』をペロペロ舐めるとはいい度胸

このような 甘い話を見掛けたら さあ皆様も御一緒に

「うまい話にゃ裏がある」「タダ程怖いものはない」

「甘い話にゃ罠がある」「タダ同然程高くつく」

これを三唱して    おやすみなさい

好きなものから始めた「はてなブログ」

子供の頃 雛人形をねだった記憶のない私が お人形にはまったのは まだ若かりし独身OL時代

「骨董」の本に掲載されていた 一体のアンティークドールの写真を目にした時から始まった 

幸いその人形のある専門店が地元にあった為 その子に会いにお店に足しげく通い アンティークドールの歴史や種類など教えてもらった 

それが縁でいくつかドールを購入したのだが 本来入手したい写真の子は高嶺の花

 

ある企業のオーナーが趣味を兼ねて始めたお店だったが コレクションの一部を手放す話が持ちあがり お店から彼女の姿が消えた 

売れてしまったのだ お店の方に尋ねると購入者は男性 価格は家一軒分 

質の良いお人形を置いているので有名なお店だったが 価格も高額な事で知られていた 来店出来ない遠方のお客様の元へ 店員が直接お人形をお届けするような名店だった

ふかふかの絨毯 落ち着いたダウンライト灯りの下で ひそやかに交わされる会話

アンティークドール サロン」は お金持ちのサロンでもあった  

薄々は気付いていた ここは私が踏み入れる世界ではなかったのだと 

 

結婚後 自宅建築の資金調達に お店で購入したアンティークドールを手放して お人形の世界から 長い間遠ざかった 

 

子育てが一段落したある時 何気に覗いたネットオークションでアンティークドールの価格が 凄く下落していたのに驚いた

「これなら 自分のおこずかいで何とかなる」

止まっていた時間を取り戻すように 封印していたお人形の世界に又足を踏み入れた   

 

お人形に関しての造詣と愛情が深い店主の営む 芦屋「西洋骨董エミール」

銀座にもお店のあったドールとオルゴールの広島「星ビル」 

比較的近場にあり 本物のアンティークドールに触れられる名店が消えたのは 残念でならない

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「西洋骨董エミール」さんから届いたセール・新着案内 見るだけで楽しいマニア垂涎のお人形達
  

 

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「星ビル」さんは 西洋骨董品・創作人形展等 多種の催事があった

 

  お人形の入手方法がオークションになって 一喜一憂する自分がいる

 惚れたあの子が手に入らなかった時 勝手にこう思う 

「お人形は自分の行き先は自分で選ぶ」「選ばれなかった私は 彼女とは縁がなかったんだ」と自分の心を納得させる 

大抵これで気持ちが軽くなる 何だか失恋したみたいね 

仕方ないよ 「人」ではなく「人形」に心を奪われたんだもん

 

でも 逆の事もある 

高額入札が予想された子が まさかの少額で落札できて本物に嬉しかった

「あの子が私を選んでくれたんだ」  まさに縁の不思議さ 合縁奇縁  

それでも 数十年かけた収集は西洋人形に始まり市松人形で終わりにした

 

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人の欲望はきりが無い 欲しいものを次々買っても 物欲がひととき解消されるだけ それは何か満たされない心の裏返しかもしれない

 

はてなブログを始めて 毎日いろいろな方の記事から刺激を受けて

「面白そう 記事になるかも」と 出不精の私が出掛けるようになった

 お人形は「愛すべきものだ」と少しでも知って欲しくて 記事にした

 

「幸福は好奇心から生まれる」と言ったのは 斎藤茂太さんだったよね

自分の好きなもの 興味のあるものを見つけて広げて 人生を楽しむ事が大切 

それに気付けたのは 皆様の興味深く楽しい記事のおかげです ありがとう! 

猫もコタツから出ておいでよ

雪の日 愛犬チーちゃんと散歩した あの歌「雪」の通り犬は大喜びで走り回る

私も寒いけど 犬同様雪の日のお散歩は大好きだ!

 

いきなり 雪の上に大の字に寝てみる

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誰も歩いて無い真っ白な雪道に 自分の足跡をつける 

車が通らない雪道だから18メートルのリードで歩ける

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何の足跡だろう? 途中まで仲良く続いていた 

 

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こちらは ウサギ    こちらは 猪かなぁ?

 

山の頂上まで登り 遊歩道を見下ろせる横の斜面を下っていたら 歩道を駆け上って来る黒い小型犬に気付いた

「リードを着けないで放すとは マナーの悪い飼い主だなぁ」 私は慌てて長いリードを巻き取り始めた

小型犬が疾走してどんどん近づいて来る 「あれ?」 犬じゃない

それは「ウサギ」だった

うちの豆柴と同じくらいの大きさ 黒に近いグレーの毛色で勘違いしたのだ

ほとんど足音をたてず 歩道からこちらの斜面に上ると あっという間に雑木林の中に消えて行った

「脱兎の如く」という表現があるが まさにその通りの跳躍とスピードに感心した

チーちゃんが後を追うが もちろんリードに阻まれ名残惜しそうに戻って来た

 

 

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雪まみれになりながら竹を揺らして雪を落とせば ようやく通行可能となる

 

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まるで白い花が咲いているようだ

 

 

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積雪に備えて年末に「WORKMAN」で買った「スノーブーツ」を 2月下旬にようやく使えた

このブーツは優れ物でした

 

今までは 長靴に「ゴムバンドで装着するスパイク」「厚い中敷き」「厚手の靴下」の三点セットを装備して散歩に出かけても 足の指が痛いほど冷たくなった

このブーツは雪道を歩いても 足の指が全然冷たくならなくて快適でしたし 靴底に滑りにくい素材が使ってあるので 歩き易かったです

 

でも 明日から春になる 残念ながら次の冬までお蔵入りになりそうだ

今度の冬はニャンコとも一緒に歩きたいなぁ 真っ白な雪の道

 

 

 

「お椿さん」だからね

先週「春だ」なんて記事掲載したら 昨日17日は午後から降雪が始まり「冬だったのね」と思い知らされた 

 

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いつもは通勤時間15分なのに 勤務先から帰宅までに3時間もかかったのだ 

まず国道のひどい渋滞にはまり ようやく先に見えたのはUターンさせられる車 

お巡りさんが「大型トレーラーが横転して移動に時間がかかるので 海側の道に迂回して下さい」と声をかけていた 

 

市内に引き返し海岸線の道を進む 恐ろしいほどの強い風雪だ 

左折して雪の降り続く山道に進むが 「無理!」と私の本能が訴えるので引き返す 

人家が途絶え 周囲が白一色に見え始めた細い山道を登る 

こんな所で立ち往生したら 低体温症は必至

翌日 私が雪のような真っ白な着物を着せられ 木の箱に収まる羽目になるわ 

 

市内に戻り 一区間だけ高速に載ろうとしたが無情にも「通行止め」 万事休す! 

冬タイヤではないので 夫はビジネスホテルに泊まるという 

なんとしてでも帰宅せねば 寒い家でお腹をすかせたワンコとにゃんこが待っている 

 

もともとの通常ルートの国道で 誘導している警備のお兄さんに状況を聞く 

大型トレーラーは移動できたが 別の事故も起きていると説明を受けたが 私が拝み倒すと「じゃあ 自己責任でどうぞ」と通してくれた 

用心しながら雪道を進む 立ち往生するトラックの横をすり抜け よし行けるぞ 

国道から自宅への坂道を登る途中に レッカー移動の車や人に出くわした 

結局 道の駅に車を停めて歩いてようやく帰宅できた 

「寒かった..」 

 

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やっぱりね 大勢の参拝客で賑わう「椿まつり」は2月18日からの三日間 

愛媛県の「伊豫豆比古命神社椿神社」で 旧暦の1月7日~9日に行われる斎行 

地元では「お椿さん」と親しまれ「伊豫路に春を呼ぶ」と言われている 

早ければ1月下旬だが 今年は2月下旬と遅めの日程だ

「椿まつり」の頃が寒さの底 とも言われている  

暖かい日が続いても「お椿さんはまだ先にやけん 油断できませんよ」 

そんなふうに 季節の挨拶にも使われる 

 

昨日は職場で 街育ちの同僚Tさんが積雪を珍しがって 15時から10分の休憩時間に「ヒャッホー」と制服のまま外に飛び出した

「見て見て」と 素手で20cmくらいの雪だるまを作っては 見せに来ること三度 

その後は雪合戦をして メガネ曇らせて席につき

「....指痛い...もげそう」と しばらく仕事にならなかった 

同僚Sさんは「今日は閉めきってるのにスースーするね」

当たり前やろ あなた制服の長ズボン 膝上まで折上げてハーフパンツ状態じゃん 

高温プレス機があるので ここは暖房の無い工場だよ 

私はハイネックのヒートテックにフリース ミニマフラーを巻いた上 長袖制服着用

 

「『椿さん』の頃が一番寒い言うけど ほんまやね」「今日は寒いわ」

いやいや 今でも夏用半袖制服の「T・S強者コンビ」が言うと 嘘っぽく聞こえるわ...

詩を諳じる 春だ

自分が今いる情景にピッタリ合う「和歌」や「詩」を 自然に諳じるられたら どんなに良いだろう 

もし一緒に居た相手が諳じたら 瞠目する 

異性なら惚れるかもしれない 

春だからね 

 

私にも暗唱できる詩がある 

今日 目にした風景に思わず諳じた詩の一節 

 

山村暮鳥 
「風景」純銀もざいく 

 

いちめんのなのはな 
いちめんのなのはな 
いちめんのなのはな 
いちめんのなのはな 

 

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いちめんのなのはな 
いちめんのなのはな  
いちめんのなのはな 
かすかなるむぎぶえ 
いちめんのなのはな 

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 菜の花を観ると必ず頭に浮かぶ 

 明るい陽の光の中 多種多様の色と形で楽しませ 花は人を惹き付け魅了する 

 

それは闇夜の中にでも 

 

夜中の雨は止んだものの月は無い 夜明け前はまだ闇に包まれている 

真っ暗な道を 懐中電灯片手に愛犬と散歩していると 不意に芳香を感じて足を止めた 

化合物ではない自然の香りだ 

ほとんど風は無い 

当たりをつけて グランド横の広い駐車場を横切る 

真っ暗な空間にライトを向けると 芳香を放つものが現れた 

ほんの少しだけ花を付けた「紅梅」 

 

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カイガラムシに覆われ 木全体が白っぽくなり まさに瀕死状態 

無惨な姿を見せず 香りで私の足を止め 引き寄せた 

闇に隠れて人を魅了する 香りこそ 人の心を奪う「花が持つ最強の切り札」 

 

趣のある梅の「和歌」は多いけれど ここは山村暮鳥さんの詩が 情景に合う 

 

「梅」

 

おい、そつと 
そつと 
しづかに 
梅の匂ひだ