硝子の瞳と猫と

心温まる事 癒してくれるもの 綴っていきたいな

祠参り

日が暮れるのは 遅くなったと感じるが

夜は未だに 明けにくい

 

大寒なのに寒さが弱い 夜明け前

朝霧の濃い山道を

チーと一緒に進む

月と星が隠れて 暗い道 

乳白色の懐中電灯の光は

周囲を確認し難く

いつもと違う道行きに 思える

 

闇の中に佇む 山城跡地の祠

いつもの通りに お参りをした際

小さな祠に 先週には無かった

お賽銭が納められているのに 気が付いた

 

暗くて見えにくかったので

懐中電灯で照らしながら

お賽銭の写真を 撮っていたら

スマホ画面の中を

黒い影のような 太めの縦線が

何本も 左から右へ横切って行った

その瞬間に シャッターを押したのだけど

画像には 写っていなかった

 

「今のは 何だろう?」

しばし考え

小さな祠の中からの

「眩しいぞ💢」という 抗議だと解釈した

 

10円玉は「遠縁」=「縁が遠ざかる」から

お賽銭にしない方が いいらしい

そういう類いの 願掛けをしたとは思えないが

ここは 慰霊の祠だから

願いを叶えてくれる 神様は

いらっしゃらない思う

多分 仏様も

 

 

私が祠参りに通うのは

落城した山城と

運命を共にした人達に祈る為

ここは礼を尽くす場所

 

夜が明けると 景色が変わる

時の流れと共に 変わり行くものの世界へ

チーと一緒に 還っていく