硝子の瞳と猫と

心温まる事 癒してくれるもの 綴っていきたいな

前世占い

「何で流しの横に コップ置くん?」

対面キッチンの シンクに居た夫から

声を掛けられた

 

「コップは壊れやすいから 別にするの」

リビングでブログを読んでいた私は

画面から目を離さないまま 答えた

 

私は ガラスコップや陶器のカップ

流し台や洗い桶に置かず

ワークトップ(作業台)に 並べている

 

流し台に置いていて 上から何かを落として

割った経験があるし

洗い桶で 油の付いた他の食器と

コップ類を一緒にするのも 嫌だった

グラス類は最初に洗って 次に取り掛かるのが

私のやり方なのだ

 

「食器は壊れるもんよ」

そう言いながら 夫は不満げに

洗い物を片付けていた

 



昔から夫は 台所周りを整理するのが好きだった

「これをこっちに置いた方が 絶対使い易い」

「こんなん使うん?要らんやろ」

「これ 賞味期限切れとるやん」

物を動かす 捨てる ダメ出しをする

 

近年 食事作りは当番制にしたので

“妻の聖域”荒らしに 拍車がかかり

日々腹が立つ

「人には人のやり方が 有るんだよー!」

そう言って クレームは全てスルーしている

 

 

そういえば 職場の同僚が

面白いことを言っていたのを 思い出した

両手をお祈りをする時のように 指を組み合わせて

左の親指が上に来たら『前世は女』

右の親指が上に来たら『前世は男』だという

 

 

私は左が上で『前世が女』らしいが 実感はない

教えてくれた人は 右の親指が上になった

彼女は バレーの強豪校に特待生で入った

バリバリの体育会系

明るい茶髪の ショートカット

パッと見 小柄なお兄ちゃん

竹を割ったような さっぱりした気性の人だった

「前世は男って感じはする...」

そう思えた

 

『飲みやすいお気に入りの砥部焼カップ

 

「なぁ スポンジ 何でこんなに いっぱい要るん?」

又 シンクに立つ夫から クレームが来た

「食器洗い用 すすぎ用 鍋専用 シンク掃除用」

テレビを観ながら 棒読みで応じる

「一個で充分やろ そんなに置くけん

ここがびしょびしょに」

「ちょっとー💢 これやってみて

両手を組んで~ ほれ!」

うんざりした私は 話の腰をへし折るべく 

声をあげた

 

「どっちの親指が 上になった?」

「左」

どうやら夫は 前世が女だったらしい

 

 

この占い 案外当たっているかも