硝子の瞳と猫と

心温まる事 癒してくれるもの 綴っていきたいな

愛しの朔夜

黒猫「朔夜」が家に来たのは 暮れも押し迫った2002年12月28日だった 

夫の勤務先でうずくまって鳴いていたのを連れ帰ったのが縁の始まり 鍵尻尾の雌の黒猫

気まぐれで寂しがりや いつも人の側に居た 

シャンプー嫌いの白猫「珠玉」 風呂場に連行される時の「助けて~嫌だ~」の悲鳴を聞くと 猛然とダッシュしてきて 仲間を救うべく私の足に噛みついたり 引っ掻いたりした勇敢で優しい朔夜 

 

今日は朔夜の「命日」2018年9月11日 もう2年も経つんだね 

ブログの中では存在してるけど現実には存在しない 

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朔夜と珠玉は仲良し 

 

 

食欲が衰えたのは歳のせいだと思っていた 

おかしいと思い始めて病院へ「今から行こうね」頭を撫でた時 こと切れた 

あの時の衝撃は忘れられない 失禁する体を抱いて号泣した 

もっと早く病院につれて行ってたら 死なずにすんだのに

「私が殺した」泣いても泣いても泣ききれない 

あんなに泣いたのは過去に記憶がない 

 

ささやかなお通夜 翌日ペット霊園で荼毘に付した上お骨は合同墓に埋葬してもらった  

16年も一緒に暮らしたのに 涙ひとつこぼさない夫の淡白な反応に傷ついた

 

私は一人になると泣いた 声をあげて泣いた 

「虹の橋」「猫の魂はどこにいく」ネットでそんな事ばかり毎日毎日検索した 

 

完全室内飼いの我が家の猫を知る人は少ない 

黄色い銀杏の木から黒猫が顔を覗かせている絵柄を選んで 数日後 私はある人に朔夜の死を知らせる絵ハガキを送った 

猫好きで自身も捨て猫を2匹保護して飼っていた 

息子が中学生になるまで自宅にピアノを教えに来てくれていた先生 

朔夜を知り 可愛がってくれていた その人に

 

息子がピアノをやめた数年後、先生は親の反対を押しきり全てを捨てて

神に一生捧げるシスターになる道を選んだ 

今は先生ではなく Sr .ヒルデガルト

 

後日届いた彼女からの返事に 私はとても慰められた 

同封された黒猫のカード そして

小さな小さな「不思議のメダイ」と9月の誕生石ラピスラズリーのビーズが付いたストラップにも感激した 

手紙が届いた日は 偶然にも私の誕生日だったのだから 

 

ストラップは携帯に付けたから いつも一緒だ

 

彼女に葉書を出したのは 朔夜の死を知らせる為だけでなく 

自分の悲しみや苦しみを共感してくれる人を求めていたのだと思う

私の薄っぺらい信仰心が告げる「人は人によって癒される 神様にではない」