硝子の瞳と猫と

心温まる事 癒してくれるもの 綴っていきたいな

さよなら 珠玉(タマ)爺ちゃん

昨夜 夫がポツリと呟いた 「珠玉が おらんよなって 淋しいなぁ...」

四十九日もとうに過ぎていた

いつも珠玉が寝そべっていたソファーの左端に 白熊のぬいぐるみを置いて

思い出したように声をかける 18年も一緒だったんだもん 当たり前だね 

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珠玉がうちに来たのは 2003年11月だった 

息子が「動物愛護センター」で見掛けて どうして飼いたいと泣いて頼んだのだ 

愛護センターで 親子参加の講習を受け 譲り受けた 

家には既に黒猫「朔夜」が居たが 猫同士が慣れるのに 時間はかからなかった 

 

予想外だったのは この新入りの「食事の催促」が凄まじいことだった 

朔夜は 人が起き出すまで鳴く事はなかったが 

珠玉は 夜明け前から大声で人を起こそうとする 

「こいつ 俺らを睡眠不足で殺す気やで」そう夫はぼやいていた 

 

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珠玉は 寝ていたところを急に抱き上げられ 頬擦りされても 

床の上を「タマ・モップ~」と 滑らされても 

爪をたてたり 噛みついたりはしなかった まぁ嫌そうな顔をしてたけど

「お前は最高の猫や~」と夫はいつもベタ誉めだった 

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異変に気付いたのは「多飲多尿」だった 腎臓の病気を疑い 病院に連れて行くと 

診断は「重度の糖尿病」 もう永くない と先生に言われても 信じられなかった 

食欲も有り 二階まで上がって催促する程 元気だったから 

注射と投薬「糖尿病用のフード」 治療を始めてしばらくすると 

足がふらつき 食欲も衰え始めた 

「永くないんだったら 好きなものをやろう」夫はそう言って

カロリーを気にせず 食べたい物を与えた 

 

やがて 水だけになり それさえも口にしなくなった10月の日曜日 

ソファーに横たわった珠玉を 夫と二人で看取った 

安らかな顔だった「本当はまだ生きてるんじゃないか?」「息吹き返したりして」

そんな会話を何度も交わした 

 

翌日 予約したペット霊園に連れて行かねばならない 

リビングから 珠玉を納めた箱を玄関へ運ぶ私の足が止まる 

触ると身体は硬く冷たいけれど 毛は柔らかくて 顔はただ眠っているだけのようだ 

突然 涙と思いが溢れ出す 

嫌だ 嫌だ 焼くのは嫌だ!! ずっとこのまま そばに置いておきたい! 

 

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珠玉を荼毘に付して 共同墓地に埋葬して貰った 

そこには 珠玉が大好きだった朔夜も眠っている 

きっと虹の橋で会えて 毎日お花畑で寝そべっていることだろう

 

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私も 朔夜と珠玉に会いたいな 

もう少し先になるけれど 虹の橋で仲良く待っててね

それまで さよなら珠玉爺ちゃん また合おう!