私が庭に薔薇を植え始めたのは 10年以上前のこと
花好きの義母と一緒に 地元の「バラ展」に足を運んだ時
小さなプラ鉢に植えられた薔薇苗を 一つ頂いた事から始まった
「薔薇は手間もかかる上に弱い」そんなイメージが有り
庭に植えるのは 敬遠していた
頂いた薔薇は 春から秋までピンクの大輪を咲かせたが
冬には葉を落とし枯れてしまった
翌春 処分しようとプラ鉢を持ち上げた時
苗の細い枝に 小さな芽が出始めているのに気が付いた
「生きていたんだ」 施肥もせずほったらかしだったのに驚いた
「薔薇を育ててみたい」そう思わせてくれたのが
その「クイーン・エリザベス」という薔薇だった
1954年に作出されたこの薔薇の名は
1952年 イギリスのエリザベス女王の戴冠にちなんで 命名されたもの
そのお陰か 気品も有り何よりタフだ
バラ界の最強健品種といわれ
1979年世界バラ会議で 殿堂入りを果たしている
一本の薔薇からスタートして 我が家の庭に 薔薇が増え始めた
大きなばら園が有れば 選択も容易なのだが
薔薇を選ぶ 一番のポイントである『香り』は
説明文だけでは分からないので
結局 取り寄せて自分で確かめているうち 増えてしまった
病害虫の予防に 施肥と薔薇にかかる費用は バカにならない
気楽に育てられる花木を選ぶに 越したことはない
現状維持で充分と思っていたのに
枯らした薔薇に 再度チャレンジしたくなった
単に物欲に負けたのかも
一つ目
「河本バラ園」作出の「ヘブンシリーズ」は
色も花形も様々で 天使の名前が付けられている
「ミカエル」「アブデル」「ウリエル」「ラファエル」「ルシファー」他...
そして念願の「ガブリエル」
ブルー・パープル系の薔薇に多い 『ブルー香』
この甘さの無い 落ち着いた香りが大好きだ
二つ目
「ディスタント・ドラムス」
ニュアンス系に分類される 複雑な色合いに惹かれた
直訳「遠い太鼓」という 1951年 米国歴史戦争映画の
題名に因んだらしいのだが
インディアンのうち鳴らす太鼓の音と 滲むようなグラデーションの花が
どう結びついたのだろう
厳しい寒さにめげずに ちゃんと開花報告ができるよう
しっかりお世話をしなくちゃ!
気合いを入れながらも つい顔がほころんでしまうのであった