「迎春」は季節の春を迎えるのではなく
新年を迎えるという意味で 使われている
それでも 年が改まり 日が長くなり始めて
何だか 春に近付いている気分になる
しかし 暦の上では1月6日は「小寒」 寒の始まりで1月19日まで続く
去年 雪に閉ざされた山の道を 今日 犬と散歩してみた
ほとんどの雪は溶けて モノトーンから景色は緑と茶色に戻った
葉をたくさん繁らせた常緑樹や竹など
人が見上げる程 背丈の高いものは
雪の重みで 折れたり倒れたままになっていた
それでも 根っ子が生きていれば きっと再生するに違いない
雪にすっぽり覆われた 背丈の低い植物たちも
雪が溶けて顔をのぞかせる
これから寒さの底になるが 少しづつ春に向かって備えているようだ
11月にすみれがポツンと一輪咲いていて その可憐な姿に惹かれて撮影した
「あのすみれは雪に埋もれて 枯れてしまっただろうか...」
咲いていた場所を探してみたら 生きていた
ひとりぼっちの「返り花」 でも 私は憶えていたよ「忘れ花」の君を
帰り道 道路脇の下り斜面の途中に小さな白い花が見えた
「こんな時期に咲く花って 何だろう?」 これは近くで見てみたい
チーちゃんが嫌がるので 私一人積もった落ち葉の斜面を滑り降りる
「ちょっと沈丁花に似てるな」 香りは違うが芳香もする
そこは杉や檜の谷間で 日当たりは悪い
こんな所でよくぞ開花したものだ
野の花は 人に観て貰う為に咲くわけではない
子孫を残す為 大地にしっかり根を張る
自然の中に 一人と一頭
身体の中が澄みきって 私の心が透明になる