硝子の瞳と猫と

心温まる事 癒してくれるもの 綴っていきたいな

匂いの記憶

私がアロマオイルを使い始めたのは 息子が花粉症で辛そうにしていたから 

「耳鼻科には行きたくない」

「薬局の薬も使わない」  

鼻詰まりで眠れない夜が続き 元気がない

 

症状軽減の対策をいろいろ調べて 選択したのはアロマテラピー

まず アロマミストを発生させるディフューザーという器具を

枕元に置いて 試してみた 



鼻詰まりや喉の痛みには ペパーミント

翌朝 「ペパーミントはキツイ」 

 

花粉症にはティートゥリー

開口一番「ティートゥリーは香りがいまいち」

 

最後は「モーター音がうるさくて眠れない」 

なんじゃそりゃ! 結局3日で テラピー終了 

 

せっかく揃えたアロマセット 自分で使うことにした 

いくつかのアロマオイルを試してみて 落ち着いたのが 

ラベンダー・ティートゥリー・ベルガモットの香りの組み合わせ 

100%植物から抽出した精油だから 派手さの無い自然の香り

ミストの前で 思わず深呼吸したくなる

 

就寝中にセットしておけば 乾燥予防になるし 

何より 好きな香りで心地よく眠れる 

息子が指摘した 稼働音も水滴の跳ねる音も気にならず 

私にとっては 予想外の優れものだった 

 

嗅覚は 五感の中で最も原始的な感覚で 視・聴・味・触覚と違い 

情報は 思考を司る「大脳新皮質」を経由せずに 

本能的な行動や感情を司る「大脳辺縁系」に 直接届く 

人は香りや匂いで 考えるより早く感情を揺さぶられてしまうようだ

 

嗅覚は 記憶とも関わりが深く

香りによって 忘れていた記憶や 過去に出会った人の思い出がふいに甦る

失くしたと思っていた宝物が ひょっこり出てきた あの感じ

切なかったり 温かな気持ちになったり

誰にでもきっと 有るだろう

 

歳を重ねる程に 大好きな香りと愛しい匂いが頭の中に堆積する