硝子の瞳と猫と

心温まる事 癒してくれるもの 綴っていきたいな

ココ掘る! わんわん

休日の朝 犬とのんびり散歩する

林に差し掛かった時 急に道を外れて斜面に向かう 

ある木の根元近くまで来ると

尻尾をブンブン振りながら土を掘り始め 

穴に鼻を突っ込んでクンクン 

これを飽きもせず 繰り返す 

 

「もぐらの穴でもあったのかな?」 

近くで見ても 生き物らしきものは見当たらない 

しばらく待つ間に ハッとした 

犬の名前はポチではないが 花咲かじいさんの話のように

ここにお宝が埋まっていると 教えてくれているのでは? 

しゃがんで様子を見ていると 硬いものに当たった音と共に 何か光るものが! 

こんなん出たらええなぁ



「ガラスやないかーい!」 

割れた普通のガラスの破片が 幾つか出てきた 

 

 

これをリサイクルに出したら 君はSDGsに貢献したことになる 

「偉いぞ!」 褒め称えられたからでは ないだろうが 

我が愛犬は又 砂を掻き出しながら 穴を掘り始めた

「お前はジェットモグラか?!(サンダーバード)」  

庭に苗を植える時に やってほしいわ

口の中まで泥だらけ

「もういいよ」 抵抗する犬を引っ張り 栗畑に向かうも 

まだ緑のイガ栗が多く 此方もお宝には当たらなかった 

 

帰り道 また先程の穴の所に 行きそうになるのを 阻止しながら帰途についた 

名残惜しげに振り返り 帰りたがらない

 

木の根くらいしか見当たらない穴に あれ程 執着するのは珍しい 

本当に 何かお宝が眠っているのだろうか? 

そういえば おとぎ話では「ここ掘れ わんわん」と教えられて 

実際 穴を掘ったのはお爺さんだった 

あの時 私がもっと掘ったら良かったのか? 

いやいや やっぱり強欲な奴には ガラクタしか当たらないんだよ きっとね