コガタスズメバチの女王様による宮殿造りは 着々と進んでいる
「お皿」から「お茶碗」形へ そして「丼鉢」から 今や「風鈴」の形になっている
《まだ温厚な女王様》 《マーブル模様は皮を取る木の違いによるもの》
これから「坪」の形になり働き蜂が次々誕生すると やがて円形の堅固な城が完成する
朝夕6時に巣を覗いてみても お留守の事が多い粉骨砕身の女王様
朝 空の巣を撮影していたら ブォーンという重めの羽音が近付いてきた
女王様の御帰還だ ゆっくり巣から離れると 何事もないようにお城に入って行く
今は単身で王国創世中 敵に玉砕覚悟の攻撃をしている余裕はないようで
図々しいギャラリーを大目にみてくれている
《雨の日でも飛び回る》 ╱ 《巣の中は小さな小宇宙》
外出先は森林の中
朽木や樹木の繊維を齧り取り 唾液と混ぜ合わせてボール状にして持ち帰る
それを薄く伸ばしながら 少しずつ貼っていく
雨を弾くパルプの壁は 空気を含む層になっているので
断熱効果があり 内部の温度を一定に保つことができる 実に優れたお城だ
《ヘキサゴンの中に小さな卵? 女王様はその後ろに居る》
《右側縁の色の濃い部分が 新しく貼り着けた所》
しかし 今後巣が円形になれば 50~100匹の働き蜂達が出現する
脅かさなければ大丈夫とはいえ 人が動き回る場所に近いので厄介だ
取り敢えず 穏便なお引っ越しをお願いしてみることにした
まず嫌いな臭い「木酢液」(スモーク臭で山火事と勘違いするらしい)の散布を試みる
朝昼と巣の外と中に 散々振り撒いてみたが 卵があるからなのか
女王様は立ち退かない
母は強し!
《朝 巣の中は木酢液で濡れている 》
私の中の天使と悪魔がせめぎ合う
天『ここまで見守って来たのでしょう 一人で戦う健気な母を放り出さないで』
悪『とっとと巣を壊しちゃえ 刺される前に殺虫剤で殺っちゃえ』
優柔不断な私は 未だに決断できずにいる
《昼 フラッシュ撮影でも動じない 本能とはいえ卵を守ろうとする姿に感心する》
君が ナメクジやカミキリ虫・テッポウ虫を捕獲してくれたらいいのになぁ