義母の通院で街中を車で走る
広いアスファルトの道路 周囲は高いビルとマンションが建ち並ぶ
「真夏はクーラー無しでは いられないだろうな」
歳を取れば 買い物や通院が便利な 都会に住む方が良い
それでも私は「都会には住めない」と思った
自身は都市部で生まれ育ったのに 年々冷房と外気の気温落差が 我慢できなくなってきた
思えば 結婚後住んだ部屋に クーラーを付けたことがなかった
郊外で山に近く 見晴らしが良かった 広島
田圃が広がり 人家の少なかった 山口
目の前が海水浴場だった 愛媛
どこも暑い夏をなんとか凌げる 自然の多い良い所だった
仕事場も動き回って汗だくになった 冷房のある以前の職場
じっとしてるけど 冷房がなくて汗だくの現在の職場
正直暑いのは身体にこたえる 熟睡出来ない夜が続いても ひと月半くらいの辛抱と乗り切っている
今の自宅は ぐるりと山に囲まれて 窓の外にはいつも緑があり
冷房無しで済んでいる
生年月日の占いだっただろうか 私は「比較的市街地に近い田舎に住む」とあった
人は産まれ落ちた時から 住む所が決められているのかしら?
ただ縁に導かれたと 言うべきかもしれない
共に山育ちの両親は 結婚後都会に住み 休日には散策しに山へ出掛け
先祖の墓の掃除などして 丸一日ふるさとの野山で過ごしていた
「還るべきところへ 還ってきた」
なぜだろう 私は故郷ではなく この地に居ると安堵する
まるで猫がお気に入りの場所で 日向ぼっこをするような 心地の良さを感じるのだ
「終の棲み家」にたどり着いた私は 幸運なのかもしれない