硝子の瞳と猫と

心温まる事 癒してくれるもの 綴っていきたいな

頼もしげなる軒のさゝがに

気候変動のせいなのか 私の気のせいなのか虫の数が減っている 

LED 電灯のおかげで 夜間ガラス戸に寄って来る虫が減った 

住宅だけではなく街灯や自動販売機も 徐々に切り替え始めている 

人にとっては良いことなのだが 虫の捕食者にとっては命に関わる一大事だ 

例えばヤモリや蜘蛛 

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蛍光灯の時 夏はありふれた甲虫の他カブトムシやクワガタ、淡い緑のオオミズアオという美しい蛾の珍客もあった 

国道沿いの自動販売機には蛾が群がり それを目当てのアマガエルやヤモリが張り付き ボタンを押すのも取り出し口に手を入れるのも気持ち悪かった 

勝手なもので それも悪くはなかったなぁなんて 今更ながら思う  

 

今年「フクラスズメの幼虫」を全然見かけなかった 

イラクサだけを食べるこの虫が 面白い行動を見せるのでブログにアップしようと思っていたのに残念だ 

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シソの葉に似ている

山の上から食べ始め 段々麓の方まで下りて来るのに葉脈だけになったイラクサがないのだ 今年は少ない年なのか? 

そういえば 蜘蛛も産卵前のカマキリも少なかった

稲刈り後に出始めるカメムシもまだ見かけないから洗濯物を外干しできる

足元のほんの小さな変化に気付くのが大切な気がする 

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夜は暗闇になる竹藪に大きな巣

 

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餌がない時は自分の足を食べる

 

人間ばかりが利益を享受できる昆虫との共存は 何処かで軋みが生じる

それでも彼等は本能のまま己の命を賭けて次の世代へと繋げていく 

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大きなお腹で卵を守れる場所を探す / 卵は凄く硬い / 産卵後力尽きた

 

科学的にも学ぶ事の多い虫達から 人が生きる為のヒントをもらう事もあるでしょう

機会があれば あなたの身近に居る小さな虫を観察してみませんか 

 

 

※タイトルは和歌の下の句から  うたことば歳時記「寒月和歌抄 夏の歌」より

いまさらに人待つ宵にあらねども 頼もしげなる軒のさゝがに

(頼もしげなる→期待の持てる、良いことがやって来そう さゝがに→蜘蛛のこと)