硝子の瞳と猫と

心温まる事 癒してくれるもの 綴っていきたいな

ティンシャ

「ティンシャ」 

別名『チベタンベル』 『ラマシンバル』

チベット仏教で使われる法具で 儀式や浄化に使われる

 

私が読者登録している方のブログ記事で 「ティンシャ」を初めて知り興味が湧いた

そのnana さんのブログは ほっこり温かな気持ちになる記事ばかりで

これは「タイトル」はホラーですが やっぱり最期は ほんわかするお話です

knananana.hatenablog.com

 

(1/fゆらぎ)の波長が含まれている「ティンシャ」とは どんな音がするのかな?

お仏壇にある「おりん」と同じ様なものかしら? 気になる!

 

早速SNS で検索して 動画で聴く 

「チーン」という澄んだ金属の高音

「なんて綺麗な音だろう...」

その音色にすっかり魅了され 購入することにした

 

音を聴いて選びたいと 販売店を探し「カラパタール」という専門店に出合う

長年ヒマラヤに通っている店主の  インスタグラムも気に入った

早速 メニューから材質・価格・柄で絞り混み スマホで音を確認する

最も「直感的に」印象の残ったものが 「縁のあるティンシャ」だという

 

就寝前 自室でたくさん試聴して 音の高低  余韻の長さで更に絞り込む

最終的に気に入ったのは二つ

識別を例えるなら《猫》と《犬》

 

スマホで《猫》を聴く 「チーン.....」澄んだ金属の響きの後 

余韻は同じ曲線を描くような 緩やかなピッチ 

これは【夜の音色】だ 

静かな月夜 青白い光に溶け込むような 透明な音色 

丸くなった猫の寝息のリズム

これに決めようか...もう一つのティンシャは華やか過ぎるな

 

今度は 早朝のリビングで 再度二つを試聴してみる

 

《犬》の音に耳をすませる 「チーン.....」少し高めの金属の響き 

大きめの余韻が早いピッチで広がる

これは〖朝の音色〗だ 

山際が徐々に明るくなり 日が昇る

光の粒が弾けるように飛び散り 雲の谷間にコロコロと転がる 目覚めの音色 

駆け出す犬の鼓動のリズム

迷ってしまう...何故かもう一つのティンシャが もの足らなく感じた

 

時間を変え 何度も試聴して「カートに入れた」のは【夜の音

直感的な選択とは言えないが  すーっと気持ちが落ち着く音色だった

 

店主がネパール出張する前ぎりぎりに 間に合った急ぎの買い物

届いたティンシャのお話は次回で

(但し 我が家に 不可思議な現象が有るわけではありません)

 

10月の始まり

10月1日は「神送り」 全国の神様が 出雲に向けてご出発された

そのお陰だろうか 晴れを予感させる白い靄が広がる 清々しい朝だ

 

 

チーちゃんを連れて栗拾い

手入れをされていない栗の木の間を 蜘蛛があちこちに大きな巣を張っている

枝を避け 背を屈めて通り抜け 落ちた栗をポツポツ拾って歩いた

 

拾った栗は 直ぐに水に浸ける

しばらくすると 虫が出てきた このまま一晩置いておこう

明日は栗ご飯にしようかな

 

西の風に乗って 窓から良い香りが入って来る

近所の庭に咲いている 金木犀の芳香

何だか幸せな気分

10月は きっといろんな事が上手く行く気がする

 

 

 

 

ココ掘る! わんわん

休日の朝 犬とのんびり散歩する

林に差し掛かった時 急に道を外れて斜面に向かう 

ある木の根元近くまで来ると

尻尾をブンブン振りながら土を掘り始め 

穴に鼻を突っ込んでクンクン 

これを飽きもせず 繰り返す 

 

「もぐらの穴でもあったのかな?」 

近くで見ても 生き物らしきものは見当たらない 

しばらく待つ間に ハッとした 

犬の名前はポチではないが 花咲かじいさんの話のように

ここにお宝が埋まっていると 教えてくれているのでは? 

しゃがんで様子を見ていると 硬いものに当たった音と共に 何か光るものが! 

こんなん出たらええなぁ



「ガラスやないかーい!」 

割れた普通のガラスの破片が 幾つか出てきた 

 

 

これをリサイクルに出したら 君はSDGsに貢献したことになる 

「偉いぞ!」 褒め称えられたからでは ないだろうが 

我が愛犬は又 砂を掻き出しながら 穴を掘り始めた

「お前はジェットモグラか?!(サンダーバード)」  

庭に苗を植える時に やってほしいわ

口の中まで泥だらけ

「もういいよ」 抵抗する犬を引っ張り 栗畑に向かうも 

まだ緑のイガ栗が多く 此方もお宝には当たらなかった 

 

帰り道 また先程の穴の所に 行きそうになるのを 阻止しながら帰途についた 

名残惜しげに振り返り 帰りたがらない

 

木の根くらいしか見当たらない穴に あれ程 執着するのは珍しい 

本当に 何かお宝が眠っているのだろうか? 

そういえば おとぎ話では「ここ掘れ わんわん」と教えられて 

実際 穴を掘ったのはお爺さんだった 

あの時 私がもっと掘ったら良かったのか? 

いやいや やっぱり強欲な奴には ガラクタしか当たらないんだよ きっとね

超低賃金の在宅ワーク

現在 愛媛の最低賃金は821円 (10月5日から853円に引き上げされる)

しかし それよりも遥かに低い賃金で働く人達がいる

内職従事者だ

特別な技能はいらない単純な作業 発注者が配達回収してノルマも無し

 

うちのはゴム製品のバリ取り作業 

いろいろな製品はあるが これは一袋300本で賃金は360円になる

個人の技量と性格で 収入は大きな差が出る

手早い人は1時間半 恐ろしく丁寧な人は7時間 時給に直すと...(ノ_・。)

長く続けてくれる人が少なくて 自分達が自宅で内職する事も多い

《硬いバリはハサミで切れ目を入れてから むしり取る》

 

以前の工場長が「内職の賃金を下げる」と言って 私達を慌てさせた

募集をかけてぽつりぽつりと数人の応募があっても

続けられる人が一人残ればいい方だ

 

それならと工場長自身に内職作業をして貰うと「これはキツイわ」と

賃金値下げを撤回してくれた

 

乳幼児を抱えている若いお母さん  年金だけでは不安な年配者

外に働きに行けない人達が この地味で低賃金の仕事を請け負ってくれている

その後 社内で目視検査と別作業でチェックする トリプル検査

ブレーキに使用する部品なので 重要保安部品に該当する

《指先が痛くなるし腱鞘炎になる人もいる 》

先日 価格交渉で来社した取引先の方々は 工場見学の際

「多少のバリは付いていても大丈夫」と言って 私達を激怒させた

バリが不具合の原因になり 大きなリコールに繋がる事もあるからこそ

日々クレームを発生させない 努力をしている

 

日本の自動車メーカーで 検査や製造データ偽装が話題になった

「人手不足」「納期に間に合わせる為」 分からなくもないが

「ものづくり日本」の力は 衰える一方だ

 

車に必要な部品は3万個といわれ わが社はその一端を担っている

下請け企業なれども 「高品質な製品を作る」というプライドが

私達の原動力になっている

 

性格が分かる 貼り紙

 8月の下旬 暑い日が続く頃

勤務先の一台しかない ドリンク系自動販売機が故障した 

一部の部屋を除き プレス機の稼働する工場内は

スポットクーラーしかなく とにかく暑い 

 

オアシスを失った人々の 不平不満が凄まじかったせいか(憶測) 

早々に 二台目の自動販売機が設置された 

水筒持参の私も どんなドリンクがあるのか見に行った 

しかし 休憩所ドアの前で ワクワク気分が台無し

 

何コレ? 

 

この金属製のドアは 閉まりが悪く  手を離しても自然には閉まらない

結構 強い力がいるのだ

上から目線の文言なら その次の手も打った上なんだろな

無性に腹が立って来た

 

貼り紙の余白に 太いマジックで

「ハイ わかりません❗」と 書きたい衝動を押さえつつ

デスクに戻り 「誰が書いたのか」尋ねてみた

「そりゃあ 黒字部署のおエライ正社員様でしょ」(ちなみに うちは赤字部署)

結構大きな声で パートのNさんが答えてくれた

 

続けて ドアの修復の話が出ているのか 聞いてみたら

直ぐ横にある 広い搬入口シャッターが重いので

一緒に治して貰うように うちが要望したけど 予算オーバーと断られたそうだ 

 

事務員さんにも 確認すると

アルミ製ドアの見積もりを取ってるけど 意外と高くて

話が進んでいないらしい

こういう時こそ  黒字部署が強く押せばいいのに

 

普通の会社だったら この貼り紙だけで 問題になると思うんだけど

ずっと貼られたままだ

通常の文言でも 嫌味な文言でも

結局 意識の低い人には 効果無し  ドアは空いた状態が多いようだ

せめて 夜勤者が守ってくれたら いいけどね

↑《手を離すとここで止まる》

 

今度 「社内チェックの見廻り隊」が来る時まで

この“ねちっこい貼り紙”が そのままあるのか観察しておこう 

 

それより何より 工場長殿 何卒早く新しいドアにして下さーい

 

自ら決めた 行き場所

趣味でお人形を収集する手段として 私はヤフオクを使っている 

置き場所に困るので これ以上増やすつもりはないが 

オークションでいろんな娘を見るのは楽しくて 閲覧だけしていた 

 

たまに「この額では落ちないだろう入札」をして ドキドキ感を味わっている 

久しぶりに 6月のヤフオクでやってみた 

出足は鈍いが 上がり始めたので自動入札にするも

結果は予想通り 別の方が落札した 

 

しかし 翌日の夕方 ヤフオクからメールが届いており 

「落札者が取り消されたので 私に権利が譲渡された」という 

こんな事は初めてで 迷ったものの 「これも縁」だと 落札の手続きを済ませた 

 

だが どうも腑に落ちない 

競り合った人が熱くなり 高額になった挙げ句の「取消し」なら解るが

これは 相場に近い金額

逆に いくら新規の落札者でも 24時間以内の取り消しは 早すぎないか? 

今回SNS で調べて「吊り上げ入札」ではないかという 疑念が湧いた 

出品者の過去の入札履歴を調べると ドンピシャ 

 

落札後 私は直ぐに「この娘と縁が有った事が嬉しい」と取引連絡を入れた

「縁」ではなく「円」だと 相手は ほくそ笑んだだろうか 

又 鴨が葱背負ってやって来たのだから

 

 

ヤフオクには 違反行為の報告をしたが

「吊り上げ入札」を証明するのは 難しいようだ 

欲しい物が 出せる金額いっぱいで手に入ったんだから 文句はないだろう 

そう言われれば 返す言葉もない 

要するに 正当な出品者ばかりじゃないんだから しっかり勉強してねという事 

 

今まで「瑕疵を隠した画像」「正規品らしい説明の偽物」

「画像と違う粗悪品」という失敗に加え 今度は入札に関する

対策マニュアルが加わった

 

私以降の出品で 同様にこのカラクリに気が付いた ある繰り上げ落札者は

「良い評価」を付け まず対応に礼を述べた後

「取引意志の有る入札者が 公平かつ安心して入札出来る環境作りを

工夫され フォローして下さる事を よろしくお願いいたします」 

言葉を選びながら 是正を望むコメントを送っている 

悪い評価の仕返しが嫌で 良い評価を付け

コメントは定型文で済ませた私とは 大違いだ 

 

『私は虚ろではない 行き場所は自ら決める』人形の独り言

 

 

この誠実な落札者の願いは 今も相手に届いていない

商いは お金より信用が大事 

出品物は良品の部類だし 商品情報と説明も丁寧で好感が持てる

故に このやり方を続ける出品者を 残念に思う

 

6月の異称

6月 うちに市松人形がやって来た

1年半ぶりのニューフェース 

早速 名付け名人の yu-koちゃんに この娘の名前を考えて貰った 

 

今回のお題は「梅雨・6月」 

今まで「夏」「色の和名」「第一印象」というお題に 頭を捻り悩みつつ 

いつも 幾つもの候補名を提示してくれる 頼りになる名付け親さん 

依頼をして2週間後 名前と由来が書かれたメールが届いた 

 

彼女に会って話を聞くと

今回は「凄く楽しかったー!」と喜んでくれて

「6月の異称がたくさんあって そっちの方を調べるのに時間がかかったんです」

「私も何かに使えると思って メモしちゃいました~」 

そんなにハマったんだ? 

旧暦の6月に「水無月」という和風月名(わふうげつめい)が有るのは 

大抵の人が知っている 

でも暦月には 沢山の異称が有ることを 私も初めて知った

 

旧暦の6月は今の6月下旬~8月上旬にあたり 夏のイメージ

月の異称・別称は 花鳥風月を愛でる日本人の 感性の豊かさを表している

 

▪鳴神月・鳴雷月(なるかみづき)→雷が多い月

▪風待月(かぜまちつき)→暑さをしのぐ風をひたすら待つ月                                       

▪涼暮月(すずくれつき)→夕暮れ時は涼しい風が吹く月

▪蝉の羽月(せみのはつき)→蝉の羽のように薄く透ける着物(蝉の羽衣)を着始める月 

 

彼女の選んだ異称から 考えられた名前 「なるみ」「涼風」「羽那」                     

 

 

他のイメージとして 紫陽花の紫  梅雨葵の葵色から浮かぶ名前や 

6月の季語 李(すもも)を使った素敵な名前も有り 迷いに迷った

10の候補を4つに絞ってもなお 決めかねる   

結局 最後はいつも通り「姓名判断」で決定した

 

私は 市松人形に「月」のイメージが重なる

穏やかで控えめなお顔立ち

見つめていると 心が落ち着く

 

空には黄色いお月 夜露が静かに降りてくる

小さな小さな 空色の雫が ぽつん

 

 

視線を合わせ その名を呼ぶ

「雫月」(しづき)  

うん これが一番しっくりくる 実に良い名前だ

 

《私よりも長くこの世に存在している 永遠の少女

メールをもらって 2週間後 

名付け親の yu-ko ちゃんに「命名」した名前を発表した

 二人分の「笑顔」と「ありがとう!!」を添えて