硝子の瞳と猫と

心温まる事 癒してくれるもの 綴っていきたいな

命短し 行動せよ乙女

我が家の庭に コガタスズメバチが営巣を始めた 

今後の被害を考慮して 穏便な退去方法「木酢液」を散布したが めげない女王様 

2度目の攻撃を仕掛けた反面 巣のある棚の方向を人家の無い方に変え 

此方と接触しないよう 棚の上から簾を掛けて共存する事も考えていた 

 

《2面は白いプラダンが貼ってあるので 余計巣が目立つ》

《居なくなる前の女王様 最後の一枚》

 

しかし13日の夕方を最後に 女王様は姿を消した 

巣の中には 六角形の小部屋が10個 

強度と断熱性に優れたハニカム構造

その中には 卵がきちんと1つずつ産み落とされていた 

もう孵化することはない 後味の悪い結末  

 

去年 義母の庭にもコガタスズメバチが営巣した 

「おばちゃん そこ危ないよ」隣接する納屋で家具を作っている甥が 

私の姿を見掛け 声をかけて来た 

「草刈り作業中に指を刺されて 2日も仕事を休んだ」と苦笑い 

「そこ」と指を差されてもわからない 

かなり茂みに近付くと 偵察の蜂が一匹スクランブル発進して来たので 

ようやく 巣の場所を確認できた 

完成した丸い巣の大きさは ハンドボール位もあった 


《茶色のマーブルで意外と見えにくい》╱《今年は同じ場所を選ばなかったようだ》

 

それにしても この違いは何だろう 

開放的な場所に 営巣する習性があるとしても 

かたや 義母の家に毎日通っていた私達が気付かない程 巣をカムフラージュし繁殖に成功した女王様  

こなた 丸見えの金属棚に 営巣し始めた結果 途中で放棄する憂き目にあった女王様  

勝負の分かれ目は 安全な営巣場所を選ぶ能力の有無 

しかし 人の生活圏内で生き残るには「運」も不可欠 

もしも甥が もっと早い時期に草刈りをしていたら

小さな巣に気付き 殺虫剤を吹き掛けただろう 

賢い者が 生き残れるとは限らない

 

ある日突然 全てを失う 

人の生活圏内は 昆虫達にとって 不条理な世界でもある 

 

しかし 彼等は過去に執着しない

季節と共に移ろう命

時間とエネルギーを 無駄には出来ない 

 

《金曜日の朝 見つけた蜂の巣》╱《中央1つを花びらのように囲んで綺麗》

《卵を守るキボシアシナガバチ 毒性・攻撃性が高い》

 

この「命の煌めき」が 愛おしい
  

 

今年も会えたね

今年も 蛍の飛ぶ時期になってきたので チーちゃんの散歩がてら 出掛けてみた 

国道沿いの小さな川だが 毎年蛍が鑑賞できる 

スマホでは 光の点滅とシャッターのタイミングが合わなくて 画像はイマイチ 

でも 今年もちゃんと蛍に会えた事が嬉しいな 

 

《蛍です》  ╱ 《おぼろ月夜と左下に2匹の蛍》 

この近辺の町では 蛍の保存に取り組んでいる 

保存会の方々が 人工飼育で増やし

毎年小学校の授業で 川に幼虫を放して保護を続けている 

毎年開催されていた「蛍祭り」は コロナ自粛により 今年も中止になってしまった 

《めちゃめちゃシャッター切りまくったけど...》

息子が高校生の頃 電車通学だった 

駅から自宅まで4キロ有り 帰り道は登坂を必死で自転車をこぐ

梅雨の短い期間 夜の暗い川に蛍が乱舞する場所が いくつかある 

しばし自転車を押して 点滅する小さな光を眺めていたようだ

「今年はあの辺りが多いよ」と教えてくれたっけ

同級生の中には「実際に蛍を見たことがない」人も居ることに驚いたと話していた  

 

国道沿いの川から 支流を遡ると 蛍の数は増えるが 私は避けている

ギャラリーが多く 車のヘッドライトの往来が煩わしいから

土日は 親子連れやカップルが 涼みがてら蛍を楽しんでいる

 

金曜日の風の無い夜 珍しいことに 我が家の網戸に蛍が一匹とまっていた 

早速 ホタルブクロに(無理矢理)入って貰い 撮影してみた 

飛び回りたい蛍は 直ぐに花から出てしまうので

昔 子供が提灯みたいにして遊んだというのは 難しい気がする 

でも ホタルブクロというのは 風情の有る素敵なネーミングだ 

ゲンジボタル》  ╱ 《花びらを閉じてないと螢君が落ちる》

撮影後 蛍は伴侶探しに 夜空に高く飛んで行ってしまった

「良いお嫁さんを見つけるんだよー」 私は大きく手を振って彼を見送った

 

 

タフでクールな女王様

コガタスズメバチの女王様による宮殿造りは 着々と進んでいる

「お皿」から「お茶碗」形へ そして「丼鉢」から 今や「風鈴」の形になっている

 

《まだ温厚な女王様》   《マーブル模様は皮を取る木の違いによるもの》

 

これから「坪」の形になり働き蜂が次々誕生すると やがて円形の堅固な城が完成する 

朝夕6時に巣を覗いてみても お留守の事が多い粉骨砕身の女王様 

朝 空の巣を撮影していたら  ブォーンという重めの羽音が近付いてきた 

女王様の御帰還だ ゆっくり巣から離れると 何事もないようにお城に入って行く 

今は単身で王国創世中 敵に玉砕覚悟の攻撃をしている余裕はないようで 

図々しいギャラリーを大目にみてくれている

 

《雨の日でも飛び回る》 ╱ 《巣の中は小さな小宇宙》

外出先は森林の中 

朽木や樹木の繊維を齧り取り 唾液と混ぜ合わせてボール状にして持ち帰る 

それを薄く伸ばしながら 少しずつ貼っていく 

雨を弾くパルプの壁は 空気を含む層になっているので 

断熱効果があり 内部の温度を一定に保つことができる 実に優れたお城だ

  

《ヘキサゴンの中に小さな卵? 女王様はその後ろに居る》

《右側縁の色の濃い部分が 新しく貼り着けた所》

 

しかし 今後巣が円形になれば 50~100匹の働き蜂達が出現する 

脅かさなければ大丈夫とはいえ 人が動き回る場所に近いので厄介だ 

 

取り敢えず 穏便なお引っ越しをお願いしてみることにした 

まず嫌いな臭い「木酢液」(スモーク臭で山火事と勘違いするらしい)の散布を試みる 

朝昼と巣の外と中に 散々振り撒いてみたが  卵があるからなのか

女王様は立ち退かない

母は強し!

 

《朝 巣の中は木酢液で濡れている 》

私の中の天使と悪魔がせめぎ合う

天『ここまで見守って来たのでしょう 一人で戦う健気な母を放り出さないで』

悪『とっとと巣を壊しちゃえ 刺される前に殺虫剤で殺っちゃえ』

優柔不断な私は 未だに決断できずにいる

 

《昼 フラッシュ撮影でも動じない 本能とはいえ卵を守ろうとする姿に感心する》

 

君が ナメクジやカミキリ虫・テッポウ虫を捕獲してくれたらいいのになぁ

 

共存共栄 時々 弱肉強食

持ち家を維持するには お金がかかる 

経年劣化であちこちに傷みが生じるのは 仕方がない 

3月下旬 うちもようやく屋根を含め 外壁の塗装を行った 

こういう日が来ることは 予想できていたので 

細長く狭い庭でも 建物ギリギリの場所に 高くなる植物は植えないようにしていた 

(考えていた以上に 足場に幅を取られた)

それでも 敷地際に植えたつる薔薇ラ・フランスが 予想外に大きくなって

建物側に誘引していたし 20年越えの紅葉も同様で 

足場設置前に バシバシ切ることとなった 

アーチやオベリスクも 一時撤去した 

 

建物に積もり積もった垢が落ちるのは 気持ちが良いものだ 

傷んだ箇所も修繕して貰って 我が家の外見は新築同様になった 

庭のアーチや鉢を減して 建物の近くの緑が遠ざかり スッキリしたようにも思う

 

 

↑(工事前)           ↑(工事後) 

 

ただ残念なのは 外壁にたくさん付いていた「カマキリの卵」が失くなってしまったこと 

中身が空の物はいいけれど この春孵化する卵が3つはあったはずなのだ 

カマキリの個体数が 減ってしまうのが心配だった 

ある日 庭の水やり後 ホース掛けの側で小さなカマキリを見つけた 

この貫禄は オオカマキリの子供だろうか 

既に 右側の触覚が少し短くなっている 

動くものを捕らえて食べる 肉食系 戦いに 怪我はつきものということだ 

頑張れ!王女様  夏に成長した姿で再会できますように 

 

裏庭では 撤去した棚に コガタスズメバチが巣造りを始めていた 

以前 タイヤや植木鉢を置いていたスチール棚は 今は空っぽ

風通しと見通しが良すぎる場所が 気に入ったようで 

女王様一人での王国造り

 

綺麗な茶色いマーブルのお皿が できつつあったのだが 

何故か 一昨日から工事はストップしてしまった 

女王様が 忽然と姿を消してしまったのだ 

私が 朝な夕なに 近くでカシャカシャ写真を撮っていたのが 気に入らなかったのだろうか 

それとも 何かアクシデントが起きて死んでしまったのだろうか 

 

しかし 今日の夕方いつの間にか 女王様は帰還して 内装工事に勤しんでおられた 

 

 

お皿が茶碗の形になって 六角形の部屋が隠れてしまった 

観察は面白いけれど このまま宮殿が完成したら 次は産卵により兵士が出現する 

情が湧きつつあるが  宮殿完成前に破壊すべきだろう 悩ましいわ 

 

家や庭の移り変わりで 環境が変わっても 

植物と昆虫は 変化を受け入れ 実にしなやかに逞しく生きている    

花びらの色は白じゃなくても 恋人の色

愛犬の散歩で山道を歩いていると気付く「白い花が多いな」

春から夏 緑の中の白色は確かに涼しげに見える 

上▪野イチゴ 下▪ヒメウツギ(姫空木)

 

事実 自然界の花色で一番多いのは 白色系で33%

次いで黄色系28% 赤色系20% 青色紫色系17%と続く 

 

白い花は フラボノイドという無色の色素が含まれていて

人には無色に見えるはずなのに 花びらの組織が小さな気泡を含んでいるので

光を反射して白く見える 

 

花を求めて飛び回る昆虫は 紫外線を見ることができるので 

人とは違う花色に 見えているようだ 

花びらの色はどんな色でも 恋人を呼び寄せられるんだね

ヒメジョオン           スイカズラ(吸い葛)  

ドクダミ            シロツメクサ(白詰草) 

ハコネウツギ?         タカサゴユリ(高砂百合)

自らの力で移動が出来ない植物の 生き残りを賭けた静かな戦い 

小さな花は鈴なりになったり 群生して 蜂や蝶達にアピールする 

芳香で惹き付けるものもいる 

肥料も無い 日当たりの悪い痩せた土地でも 花を咲かせる逞しい山野草 

ヤブミョウガ(藪茗荷)         ↑ミズキ(水木)

上▪ノイバラ(野茨) ╱ 下▪センニンソウ(仙人草)

本当は良くないことなのだが 庭に「山野草スペース」を設けた

勝手なマイルールに従って 選ぶのは

『毎年山で見掛ける希少種で無い ありふれたもの』

『道の端とか手入れのされてない荒れ地(個人所有の土地以外と推測される)に群生しているもの』

アマドコロ(甘野老) ╱ホタルブクロ(蛍袋) ╱ユキノシタ(雪の下) を 採取した

 

ユキノシタは斑入りの葉が目立つが 小花は可憐で清楚》

 

 

時間の経過と共に成長した木が なだらかな斜面を急斜面に変える 

厳しい環境に順応し へばり着くように根を張り 山の花木は美しい花を咲かせる 

人に鑑賞して貰う為ではなく 種の繁栄の為

お天道様を求めて 上へ上へと伸びていく

 





 

 

犬と歩けば

桜が終わった頃から 愛犬の散歩に山コースを歩いていなかった 

国道から車で10分も走れば 頂上に着く標高452mのこの山には 

昔 小さな山城が有った 

土佐の長曽我部元親の侵攻に備えて 築城されたものの 

天正2年(1584年)に その長曽我部軍により落城してしまった

海側から侵攻された ╱ 頂上の給水ポイント

 

今では 城跡の手前は 遊具の無い公園になっている 

知識のある人が観れば「堀切」「城塁」「虎口」が分かるようだが

私にはさっぱりだ 

 

久しぶりに山コースを歩いていると

途中 アスファルトの車道に 合流する道が出来ていた 

強引に造られたような道

 

以前は 下りの斜面に竹や杉が生い茂っていた 

何故こんな所に 谷から道を通す必要が有るのだろう? 

国産の木材を 調達する為だろうか 


土の道には キャタピラー跡がくっきり着いていて

何処まで続いているのか 気になるので降りてみた 

こんな道を 人力だけで造るのは大変だろう 

斜面に広がる 杉の林を分断するように 道が通っている 

重機のパワーは凄いな 

何処に続くのか ワクワクしていたが 道は途中で終わっていた 

 

林の日当たりは良くなった ╱ ここで行き止まり

 

引き返して 別の細めの道を進んでみた 

こちらは つま先を横にして歩かないと 滑り転けそうな急坂が続く 

 

この高さから 一気に下るような道が続く

 

しばらく行くと 犬の声や車の音が聞こえ始め 

やがて 周囲が段々明るくなって 舗装した道に出た 

「ここに出るのかぁ」 そこは診療所に通う時の 抜け道だった 

そういえば 近くに製材所がある 

 

 

 

もうすぐ終点 ╱ 家と車が見えてきた

 

いつもは アスファルトの道路を 難なく歩いて散歩をしているけれど 

杉林の中 剥き出しの土の急坂を 恐々下りながら 

この山に 木材や石を運び 山城を造った昔人を思った 

 

それは 重機に劣らぬ力と骨太で健脚 

 人は文明の利器と引き換えに

本来持つ能力を 失いつつあるのではないだろうか

自然の中に居ると そんな気にさせられた

好きこそものの上手なれ

火曜日 私は終業時間になっても 仕事が終わらず焦っていた 

翌日休みを取っている手前 自分の仕事は やりきっておきたい 

 

後のデスクでは Sさんが何やら不服そうにスマホで通話中 

仕事終わりを待って 小学生の娘さんが算数の宿題を 連絡してきたようだ 

「え~!? 長方形の面積? 公式?」 

「何で算数の宿題を 母ちゃんにかけてくるかなぁ」

「人生 面積の出し方がわからんでも 生きていけるんよ」

「大人になって面積わからんでも ちゃ~んと仕事は出来るんやけん」

 

(子供相手に暴論だなぁ) と思った

ヒートアップしてくるSさんを見かねて 隣のデスクのTさんが声をかける 

『面積やったら 底辺掛ける高さ割る2でしょう』

(...出た 高田純次みたいな すっとぼけ) 

振り向いて「それ三角形の面積だよ」と私

 

しかし 既に話は次の段階に進んでいて 通話で問題を復唱している 

「横が6 縦?奥行きが4 答が48 高さがいくらか?」

「直方体? 公式?」

 

Tさんが電卓を叩きながら『公式と言ったら Xだから ろくし24Xで 掛けると~』

『うわっ 凄い数字になったー!』

 

「だいたいXなんて小5で出るん?」と Sさん 

仕事に集中できないので 聞くまいと思っているのに 

次元の違う会話に 耳ダンボになってしまう

『ちょっと待って 私のスマホで公式調べるけん』とTさん 

 

ようやく静かになって 仕事もゴール目前 

その時 Sさんがボソッと呟いた 「...パイ(π)とか使う?」

「3.14とか言いよったような...」

マジか 笑かすな もうー 仕事の邪魔すんなよー

 

「面積 解らんでも仕事は出来る」は 暴論だが 間違いではない

Tさんは 多種の製品を扱える器用さを持ち

仕事の流れを俯瞰し 滞らないように気を配り 自ら動ける人 

Sさんの検査能力はピカイチで「彼女の検査品には見落としは無い」と

絶大な信頼を 寄せられている 

どちらも 明るく職場のムードメーカー的存在だ 

 

「人生 算数が出来なくても生きていける」も同様だ

BTS バンダムのこのお二人 アプリで韓国語を勉強中

同僚の誕生日には 韓国語で「ハッピーバースデー」を歌ってくれた 

♡BT21のジグソーパズル4種類の内 ファミマで手に入れた一つ♡

♡コナンの映画ガチャに挑んだTさん 12回(1回300円)で希望のキャラが揃った♡

 

人は「好きなもの」の為に 「好きなこと」だから 頑張れる 

「好きこそものの上手なれ」を地で行く彼女達が 私は大好きだ!